継続的改善カスタマージャーニーの作り方
  • 継続的改善カスタマージャーニーとは、リーンシックスシグマDMAICで作る変化に対応し続けることができる顧客獲得プロセスです
  • それにより最大効果最大効率で質の高い新規顧客を獲得することができます

詳しくは以下のコラムで

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継続的改善カスタマージャーニーの作り方

カスタマージャーニーとは新規顧客獲得の仕組みです。市場にいる人々が会社やサービスの存在を知って、興味を持って、調べて、買って、ファンになっていくプロセスです。

このカスタマージャーニーを変化に応じて継続的に改善できるように作り上げる方法が継続的改善カスタマージャーニーです。継続的改善カスタマージャーニーも継続的改善B2Bマーケティング戦略同様に、DMAIC手法を使って考えます。

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以下が継続的改善カスタマージャーニー作成のプロセス(手順)です。DMAICの5つフェーズに13のプロセスがあります。

継続的改善カスタマージャーニー作成プロセスは図の左から右へ進みます。

  • 定義(Define)フェーズであるべき姿・目標を定義し
  • 測定(Measure)フェーズで現状認識、問題点の洗い出しを行い
  • 分析(Analyze)フェーズで要因の絞り込み根本原因を特定し影響度から優先順位をつけ
  • 改善(Improve)フェーズでプランを再設計し実行します
  • 管理(Control)フェーズで効果を検証し組織が自発的に改善をし続けるよう定着させます

では継続的改善 カスタマージャーニー 作成プロセス(ステップ)の詳細を順番に説明します。スタートは左端の「①あるべき姿」です。

定義フェーズ(あるべき姿を特定する)

定義(Define)フェーズでは、あるべき姿・目標を定義します。(継続的改善カスタマージャーニーの作り方図の①)

カスタマージャーニーの“あるべき姿”とは、「最大効果最大効率で質の高い新規顧客を獲得する事」です。つまり、できるだけ低いコストで、できるだけ質の高い(LTVの高い)新規カスタマーを獲得することです。

カスタマージャーニーとは、新規顧客が経験する「認知→リード→プロスペクト→カスタマー→プロモーターの流れ」です。

現状の「認知→リード→プロスペクト→カスタマー→プロモーターの流れ」を最適化して、あるべき姿の「認知→リード→プロスペクト→カスタマー→プロモーターの流れ」を作ることが継続的改善カスタマージャーニー作成プロセスといえます。

今のカスタマージャーニーの現状を理解して、あるべき姿のカスタマージャーニーを作り継続的に改善するのです。

継続的改善カスタマージャーニー

継続的改善カスタマージャーニーの目標(ゴール)はROI(Return on investment=利益÷投資額×100:投資した費用から、どれくらいの利益・効果が得られたのかを)で定めることが出来ます。

ROIを高めるためには1人の顧客を獲得する費用であるCPC(Cost per Customer=マーケティイング費用÷新規顧客獲得数)をできるだけ下げながら、獲得した新規顧客のLTV(生涯価値=Life Time Value:カスタマーが生涯に与える利益/もしくはSales/Account )を出来るだけ上げる活動を行います。

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測定フェーズ(現状認識)

測定フェーズでは現状を正しく認識して問題点を洗い出していきます。現状認識は2つのポイントから行います。1つ目のポイントはパフォーマンスです。(図の②現状認識パフォーマンス)

ここでは、カスタマーダイナミクスの現状を理解します。カスタマーダイナミクスとは、何人の新規顧客がいるのか、何人の顧客がいなくなっているのか、結果何人の顧客が現在いるのかといった顧客の流出流入に関する動きです。

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2つ目のポイントはプロセスです。(図の③現状認識プロセス)プロセスとはカスタマージャーニーの流れです。

カスタマージャーニーの流れ(認知→リード→プロスペクト→カスタマー→プロモーター)を良くして、できるだけ多くの人をできるだけ早く認知者からプロモーターへと移動させるのがカスタマージャーニーのカギであり、これを最適化する活動をマーケティングコミュニケーション活動といいます。

カスタマージャーニーがどのくらい効率的に流れているか、流れが止まってしまうボトルネックはどこかなどといったポイントを見ていきます。

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現状認識ができたら、次に問題点の発見にうつります。ここでは現状認識の2つのポイント、パフォーマンスとプロセス(カスタマージャーニー)の問題点を発見します。パフォーマンスとプロセスの問題点発見のポイントに関して詳しくは以下をご参照ください。

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分析フェーズ (問題点の整理、根本原因、優先順位)

測定フェーズで現状認識して問題点を発見したら次は分析フェーズ(Analyze)です。

分析フェーズでは、測定フェーズで発見した問題点をグループに整理し、根本原因を特定し、戦略課題を出し、影響度を検証して優先順位づけをおこないます。 (図の④から⑥)

測定フェーズではたくさんの問題点がでたかと思いますが、すべての問題を大きいものから小さいものまでひとつひとつ考えていくのは効率が良くありませんので、発見した問題点をグループ化します。同じような問題点をグループにまとめて、問題点のグループにステートメントをつけましょう。ステートメントとは問題点を端的に表した言葉です。

この作業を、ポストイットを使ってやる方法があります。ポストイットやリストに書き出した発見した問題点をグループわけしてまとめて整理します。(図の④問題点の整理)問題点の整理の仕方は以下のコラムを参照してください。

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問題点のグループとステートメントができたら、それぞれの問題点グループを根本原因(真因)のレベルまで分解します。改善とはつまり問題の根本原因を取り除く事ですから、ここでしっかりと問題点の要因を根本原因まで分解しておくことが有効な対策を立てることにつながります。

ここではフィッシュボーン(特性要因図)といわれる手法を使って要因分析をしてみましょう。フィッシュボーンにまとめることで問題の本質が見えてきます。本質が見えてきたら根本原因を取り除く改善案を取り出します。(図の⑤根本原因)

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継続的改善カスタマージャーニーを策定する際には、問題点の解決策だけではなく戦略的な課題も見つけましょう。戦略的課題を取り出すために現状認識で理解した外部環境と内部環境をインプットとしてSWOT分析をします。SWOT分析を行うことで自社の強み、弱み、機会、脅威を理解することが出来ます。

SWOT分析が終わったら、それをインプットとしてクロスSWOTを行います。SWOT分析とクロスSWOTを行うことで戦略課題を取り出します。(図の⑤戦略課題)

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SWOTとクロスSWOTで戦略課題の特定ができたら、次に影響度を検証して問題点の改善策と戦略課題の優先順位づけをします。優先順位を決めるためにインパクトエフォートマトリックスという方法を使います。 取り組むべき問題点の改善策や戦略課題を、顧客への影響度とそれにかかる工数から優先順位づけをします。(図の⑥影響度検証優先順位)

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改善フェーズ (プラン再設計)

次は改善フェーズです。(図の⑦から⑪の部分)

最終的に問題点や戦略課題を最適化する改善案(図の⑦)、大きな視点からの課題(図の⑧)、新しいアイデア(図の⑨)などを統合しプラン(カスタマージャーニー)を再設計し作りあげます。あるべき姿のカスタマージャーニー(認知→リード→プロスペクト→カスタマー→プロモーターの流れ)を再設計します。

すでにフィッシュ―ボーンで問題点の根本原因と改善案(根本原因を取り除く案)、SWOTで戦略課題も取り出し優先順位を決めました。次は現状から少し離れて大きな視点でカスタマージャーニー全体を考えます。いくつかの視点を紹介します。 (図の⑧大きな視点)

関連コラム (リンクのないコラムは近日公開予定です)

カスタマージャーニーの大きな視点

次に新しいアイデアを発想してみましょう。なぜならば現状認識は過去からの改善やアイデアであり、今までになかった全く新しいアイデアを発見することが難しいからです。アイデアの発想法にもさまざまありますが、いくつかを紹介します。(図の⑨)

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これでプランの再設計に必要な項目は以下に出揃いました。

  • 問題点や戦略課題を最適化する改善案(図の⑦)
  • 大きな視点からの発想(図の⑧)
  • 新たなアイデア(図の⑨)

これらの今まで取り出したインプットからカスタマージャー二―(認知→リード→プロスペクト→カスタマー→プロモーターの流れ)を再設計していきます。(図の⑩)測定フェーズで行った現状のカスタマージャー二―を“あるべき姿”に変えていきます。

まずカスタマージャーニーの1つ目のプロセスは認知者を増やし、リードに変えるというプロセス(アクション)ですが、ここを最適化します。(磁石がプロセスと考えてください)

具値的には、問題点や戦略課題を最適化する改善案・大きな視点からの発想・新たなアイデアからにインプットによって、マーケティングメッセージやコミュ二ケーション(メディア)ミックスの活動を変えることによって、もっと多くの質の高い認知者とリードを獲得するということです。ポイントとなるのは市場にいる人々に無理に売り込もうとするのではなく、興味をもってもらうように引き寄せることです。

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カスタマージャーニーの2つ目のプロセスはリードをプロスペクトに変えるというプロセス(アクション)ですが、ここを最適化します。

具値的にな方法は、コンテンツマーケティングです。コンテンツマーケティングとは、ターゲットとなる人々が興味をもつようなコンテンツをつくり、人々が興味をもってアクセスするようにメディアで配信したり、Webサイトに置いたり、コミュニティで発信したりして訴求する方法です。この活動を変える事によって質の高いリードとプロスペクトを獲得します。

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カスタマージャーニーの3つ目のプロセスはプロスペクトをカスタマーに変えるというプロセス(アクション)ですが、ここを最適化します。

プロスペクトをカスタマーに変える方法は複合的なアプローチが必要ですが、具体的にはメールマーケティングやオムニチャネル対応(オフラインとオンラインの融合)または人的なアプローチとして営業による商談アポイントメントなどがあります。これらの活動を変える事によって質の高いプロスペクトとカスタマーを獲得します。

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カスタマージャーニーの4つ目のプロセスはカスタマーをプロモーターに変えるというプロセス(アクション)ですが、ここを最適化します。

具体的にはカスタマーエンゲージメント向上のプログラムなどです。利便性を極限まで追求したり、問合せに素早く回答したりすることで思わず“WOW”といってしまう期待を超えたサービスを提供したり、会員サイトや会員特別オファーなどによりカスタマーに特別感を与えることにより奨励や良い口コミを増やす方法です。この活動を変える事によって質の高いカスタマーとプロモーターを獲得します。

関連コラム (リンクのないコラムは近日公開予定です)

これであるべき姿のカスタマージャー二―(認知→リード→プロスペクト→カスタマー→プロモーターの流れ)の再設計が完成しました。完成したら実行します。(図の⑪)

実行する際は、再設計の規模の大きさ、レベルに応じて適切な方法をとりましょう。

たとえばマーケティイング戦略を見直すレベルなのか、カスタマージャーニー全体を見直すレベルなのか、戦略プログラムやロードマップを見直すレベルなのか、戦略プログラムの中のコンテンツマーケティングの方法やキャンペーンの方法、使用媒体を変更するというレベルなのかを見極めましょう。再設計の規模の大きさによって対応方法が異なります。

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再設計のレベルによってマーケティング戦略書(3年)、年間マーケティングプラン、戦略プログラム、戦術アクティビティやキャンペーン企画書、レスポンスフォーキャストなどの文書に落とし込み、社内の適切なレベルの人達に必要なコミュニケーションを行います。

それぞれの文書には、目的(あるべき姿)、目標(KGI)、スコープ(範囲)、パフォーマンス指標(KPI)などを明確にし、あるべき姿と目標に向かっているための効果を検証できるようにします。

管理フェーズ(結果の検証、定着)

最後は管理フェーズです。(図の⑫⑬の部分)

いよいよ継続的改善カスタマージャーニーを実行します。それぞれのプロジェクトにおいても、目標(KGI)を決め、パフォーマンス指標(KPI)を使ってあるべき姿、目標に向かっているか効果を検証します。

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まずは改善後のコントロール手法の明確化をしましょう。(図の⑫)誰がいつどこをどのような頻度で戦略をチェックするかを決めます。「どこを」の部分は、測定フェーズで行った現状のカスタマージャー二―(認知→リード→プロスペクト→カスタマー→プロモーターの流れ)のプロセスとデータのどの部分を見るのかをきめると良いでしょう。

コントロール手法を決めたら、それに従い定期的にチェックします。そして改善ポイントがあった場合は、同じようにDMAICの手法で改善します。

最終目標は全員が継続的改善視点をもって自発的に改善のサイクルを回すことのできる変化に強い組織を作る事であり、継続的改善が組織に根付いた状態にする事です。(図の⑬)これが市場の変化に対応する継続的改善マーケティングであり継続的改善カスタマージャーニーです。

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