フィッシュボーン(特性要因図)で問題の根本原因を見つける

  • フィッシュボーンとは、 根本原因を発見し因果関係の全体像を可視化するツールだ
  • それにより、みつけた根本原因を取り除くフォーカスエリアを決め、問題を総合的に解決できる 

詳しくは以下のコラムで

根本原因とは

まず根本原因とは何かを考えまてみましょう。

問題点を整理したら問題点の根本原因をみつけますが、根本原因とは問題や状態を引き起こす元になったものです。表面的で直接的な原因ではなく、表面的な原因の背後にある一番元になった原因です。真の原因であり真因ともいいます。英語ではRoot Causeといいます。つまり原因の根っこですね。

問題点から根本原因をみつけるにはノウハウや経験が必要なので、根本原因はすぐには見つからないことが多いのですが、5Why分析などの方法を行うことで根本原因を見つけやすくなります。ただ5Whyで深堀しても根本原因にたどり着かないことがあります。また問題点の根本原因は必ずしも1つではありません。

そこで、いくつかある問題点の根本原因を全体的に考えるためには、フィッシュボーンという方法を使うと問題点の原因を分解して整理をすることができるので便利です。

フィッシュボーン(特性要因図)とは

フィッシュボーン(特性要因図)とは、問題をいくつかの原因に分解してそれぞれの根本原因を見つけ、問題の全体像と因果関係を可視化するツールであり方法です。

フィッシュボーンという言葉は「魚の骨」という意味ですが、ちょうど魚の骨の形のように問題点を根本原因へと分解していくことからこう呼ばれています。東大教授であった石川氏が考案したのが始まりとされており、石川ダイアグラムとも呼ばれます。フィッシュボーンをチームで使うことによって、

  • チームで問題の内容に集中することができます
  • チームのフォーカスを表面的な症状ではなく原因に向けることができます
  • チームとしての問題と原因の理解の一覧図が作れます
  • チームで問題(結果)と原因の共有と理解を得ることができます
  • チームで一丸になって解決策に取り組むことができます

継続的改善B2Bマーケティングの測定フェーズで現状認識を行い、分析フェーズで問題点を見つけて整理したら、次にフィッシュボーンを使って問題点と根本原因の全体像をまとめて視覚化することで、問題と取り組むべき内容をチームで共有することができます。

フィッシュボーン(特性要因図)とは

フィッシュボーン(特性要因図)とは、問題をいくつかの原因に分解してそれぞれの根本原因を見つけ、問題の全体像と因果関係を可視化するツールであり方法です。

フィッシュボーンという言葉は「魚の骨」という意味ですが、ちょうど魚の骨の形のように問題点を根本原因へと分解していくことからこう呼ばれています。東大教授であった石川氏が考案したのが始まりとされており、石川ダイアグラムとも呼ばれます。フィッシュボーンをチームで使うことによって、

  • チームで問題の内容に集中することができます
  • チームのフォーカスを表面的な症状ではなく原因に向けることができます
  • チームとしての問題と原因の理解の一覧図が作れます
  • チームで問題(結果)と原因の共有と理解を得ることができます
  • チームで一丸になって解決策に取り組むことができます

継続的改善B2Bマーケティングの測定フェーズで現状認識を行い、分析フェーズで問題点を見つけて整理したら、次にフィッシュボーンを使って問題点と根本原因の全体像をまとめて視覚化することで、問題と取り組むべき内容をチームで共有することができます。

フィッシュボーン分析のやり方

ではフィッシュボーン図の作り方をみていきましょう。

まず問題点を決めます。問題点をフィッシュボーンでは特性と呼びます。特性とは原因を追究したい結果です。こういうと難しく聞こえますが、問題点とは何かしらの原因で起きた結果であるので、その問題がどういった原因によって起きたのかを考えるということです。ですのでフィッシュボーンは、特性要因図ともいいます。

ここでは例として「顧客数が1年間で10%減っている」を問題点として考えましょう。

まずフィッシュボーンの魚の頭の部分に問題点である「顧客数が1年間で10%減っている」を書きます。

次に魚の頭に向かう形で背骨をひきます。この背骨は問題点を解決したテーマであり、このテーマに向かってお大骨、小骨、孫骨を入れていきます。

次に背骨に向かう形でいくつかの大骨をひきます。以下の例では4つの大骨をひきました。4つの大骨にはそれぞれ「顧客数が1年間で10%減っている」大きな原因のかたまりとして考えられることを書いていきます。

ここではPeople(人)、Technology(システム)、Process(手順)Service(サービス)という項目を大骨にいれました。

People(人)とは、たとえば人手不足や知識や意識の不足などの人に関する原因です。Technology(システム)とはシステムがなかったり不具合があったりといった技術に関する原因です。Process(手順)は手順がなかったり間違っていたり複雑だったり仕事を行う手順に関する原因です。Service(サービス)は商品やサービスの品質や機能などに関する原因です。

さらに4つの大骨を引き起こす原因となる項目を小骨として入れていきます。以下の例では、大骨である「サービス」の原因として「Web経由の新規客が減っている」と「A業界の休眠客が多い」を入れました。

こんな要領でとんどんと小骨をかんがえて足していきます。そして必要に応じて孫骨を追加します。孫骨は小骨よりもさらに詳細レベルの原因です。ここでは「品質クレームが多い」という小骨に、「〇〇商品の欠陥」という孫骨を追加しました。

お気づきになったかもしれませんが、小骨である「品質クレームが多い」は、はじめ「A業界の休眠客が多い」でしたが、「品質クレームが多い」という言葉に変えています。というのは、「A業界の休眠客が多い」の根本原因は5why分析をやった結果、「〇〇商品の欠陥」であったからです。

このように問題の大きな原因(大骨)の原因である小骨を考えるときには5why分析を使いながら根本原因を書いていきます。大骨も小骨も問題点とそれを引き起こした根本原因の関係を考えながら必要な修正を行っていきます。ことばもシンプルに原因をいいあらわした言葉を使いましょう。

この例では、さらにPeople(人)のは「サービスの理解が乏しい」、Technology(システム)のは「Web検索システムがよくない」、Process(手順)のは「休眠防止のプロセスがない」の小骨を加えました。

このように根本原因をつきつめて頭のなかで5Whyを繰り返しながら大骨や小骨を加えて調整し、結果である問題点と根本原因の因果関係(結果と原因の関係)の全体図を可視化していきます。

問題点の大きな原因である大骨のつくりかた

例では魚の頭の問題点には「顧客数が1年間で10%減っている」、4つの大骨にはそれぞれPeople(人)、Technology(システム)、Process(手順)Service(サービス)という項目をいれましたが、大骨を決めるガイドラインとして4Mというものがあります。4Mとは Man、Machine、Method、Materialの略で、以下のような内容です。

・Man=人手不足や知識や意識の不足など人に関するもの

・Machine=設備やシステム技術面でのツールや環境など

・Method=方法、プロセスや手順など

・Material=材料や原料など

4Mはあくまで考える際のスタートとして使います。大切なのは問題点の原因をどのようにグルーピングして、問題点と根本原因の因果関係(結果と原因の関係)の全体図を可視化するかということですでの、4Mにこだわることはありません。

またモノの製造とオフィスでの業務では原因となる項目がことなるため、製造系では5M+Eを、業務系では4P+M&Eといった大骨を考える方法もあります。参考までに記載しておきます。

製造系の5M+E 変動の元になる5つの源

  • Man(人)、Method(方法)、Measure(測定)、Material(材料)、Machine(機械)+Enviroment(環境)

業務(間接)系の4P+M6&E 

  • People(人)、Procedure(手順)、Place(場所)、Policy(やり方)+Measure(測定)、+Enviroment(環境)

フィッシュボーンの例

ここからは実際に私がチームと一緒に作業をして作成したフィッシュボーンを紹介します。

まずはカスタマーサービスで行った事例です。この事例では、受注処理が複雑で処理に時間がかかり大きな工数がかかっているという問題点がありました。

そこで問題点(プロブレムステートメント)は「Takes a lot of time for order process(受注処理にとても時間がかかっている)」です。そしてPeople(人)、Technology(システム)、Process(手順)、Channe(チャネル)という4つの大骨をいれました。

次にそのそれぞれの大骨に小骨をいれました。この小骨は電話・FAX・メール・Webといったそれぞれのチャンネルにおける受注処理時間や量を調査したり、プロセスフローを作成したりした結果から導いた原因と思われる項目をいれています。こうして問題点と根本原因を以下のようなフィッシュボーンにまとめて取り組むべきフォーカスエリアを決めました。

フィッシュボーンをベースにまとめたのが下の図です。左側が根本原因で、右側が根本原因と取り除く6つのフォーカスエリアです。この後、それぞれのフォーカスエリアにプロジェクトチームを作って根本原因を取り除く活動を全社で行いました。

次の事例は、顧客から「Webサイトで商品が見つけられない」という苦情が多くよせられたことに対して、顧客体験を高めるために部門横断で設立された「カスタマーフォーラム」チームが根本原因と対策を話しあった際の事例です。

問題点(プロブレムステートメント)は「昨年のWebオーダー比率80%だが、お客様の10%以上のFBが商品を見つけられないであり、調査ではでは競合最下位」と決めました。

話しあいをすすめるにつれて、問題点がWeb検索でそもそも「商品がHitしない」場合と、「商品がHitする」が何らかの問題がある場合に大別されることがわかりました。そこから以下の4つを大骨にしています。

  • 商品がHitしない(が商品はある)
  • 商品がHitしない(し商品もない)
  • 商品がHitする(が絞り込めない)
  • 商品がHitする(が購入できない)

このように大別してから根本原因を深堀することでメンバーの間でも理解が共有され、問題と対策がクリアになりました。

フィッシュボーンの応用-マーケティングミックス

このようにフィッシュボーンは、根本原因を発見し因果関係(結果と原因の関係)の全体図を可視化することができる便利なツールです。

フィッシュボーンの考え方を応用することもできます。たとえばフィッシュボーンを使ってマーケティング戦略の「誰に」、「何を」、「どうやって」の「何を」の部分、つまり顧客に提供する価値であるマーケティングミックスの全体像を考えることができます。

問題点は「マーケティングミックスが十分な価値を生んでいない」としましょう。大骨は商品・サービスミックス、価格ミックス、流通ミックス、コミュニケーションミックスとなります。

現状認識からの問題点を踏まえて、マーケティングミックスとサブミックス全体を俯瞰でとらえ、どこに問題があるのかを考えることができます。問題がわかったら、その問題に対してさらにフィッシュボーンを作って根本原因を深堀します。

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