E2Eカスタマーエクスペリエンス(顧客維持の仕組み)とは

  • E2Eカスタマーエクスペリエンスとは、顧客維持のプロセス(手順)です
  • それにより、最大効果最大効率のE2Eカスタマーエクスぺリエンス(CX)を提供することができます

詳しくは以下のコラムで

E2Eカスタマーエクスペリエンス(CX)とは何か?

E2Eカススタマーエクスペリエンス(CX)とは顧客が商品やサービスの利用をする際の体験の事です。顧客が経験する「内容確認→注文→支払→受取→使用開始」という流れであり(図の上の緑ライン)、顧客維持のための重要なポイントです。

そして、このE2Eカスタマーエクスペリエンスを可能にするのがE2Eバックプロセスです。E2Eバックプロセスとはコンテンツ提供→受注処理→請求入金→受入出荷納品→サポートといった流れです。(図の下の青ライン)このようにE2EカスタマーエクスペリエンスとE2Eバックプロセスは対になっており、E2Eバックプロセスの品質がE2Eカスタマーエクスペリエンスの品質に大きく影響します。そしてE2Eカスタマーエクスペリエンスは、満足度や売上に影響します。

E2Eカスタマーエクスペリエンスと対をなすE2Eバックプロセスは企業サイドから見れば顧客へサービスを提供する仕組みということができます。この仕組みはバックオフィスの業務オペレーションの基本の考え方です。E2Eカスタマーエクスペリエンスとそれを支えるE2Eバックプロセスは、企業のビジネスモデルによって異なる場合がありますが、E2Eバックプロセスを体系化しデータで検証しながら改善する事で、より効率的で効果的なオペレーション行うことができます。

業務改善プロセスが現場に定着し業務オペレーションが磨きあげられ、競争上の優位性にまでなっている状態をオペレーショナルエクセレンスといいます。人材不足がすすみプロセスのシンプル化、標準化、自動化による生産性の向上が企業にとっての死活問題となっており、オペレーショナルエクセレンスが一層求められています。

E2Eバックプロセスを明確にし効率(生産性)と効果(品質)を両立させオペレーショナルエクセレンスを追究することが、最適なカスタマーエクスペリエンスを作ることになります。シンプルで標準化された最適なE2Eバックプロセスは、収益をあげコストを下げて最適なE2Eカスタマーエクスペリエンス(顧客体験)を可能にします。

E2Eカススタマーエクスペリエンス(CX)「内容確認→注文→支払→受取→使用開始」とE2Eバックプロセス(コンテンツ提供→受注処理→請求入金→受入出荷納品→サポート)の各プロセスにおける定義を明確にして、処理時間やコストをデータで確認しながら最適なE2Eバックプロセスを行う事で最大効果(最大の顧客体験を提供する)最大効率(できるだけ早く安価に)のバックオフィスの業務オペレーションを論理的に追及することが出来ます。

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E2Eカスタマーエクスペリエンスの全体像

ではE2Eカスタマーエクスペリエンスの各プロセスの説明、プロセス定義、仕組み、目標(ゴール)、そのゴールの達成度を判断するためにみるべきデータ(指標:KPI)について説明します。まずE2EカスタマーエクスペリエンスとE2Eバックプロセス全体についてですが、以下のようになります。

  • プロセス定義
    • E2Eカスタマーエクスペリエンス: 顧客が商品やサービスの利用をする際の「内容確認→注文→支払→受取→使用開始」という体験をカスタマーエクスペリエンス(CX)と定義します。
    • E2Eバックオフィス: カスタマーエクスぺリぺリエンスを支える「コンテンツ提供→受注処理→請求入金→受入出荷納品→サポート」といった初めから終わりまでのバックプロセス全体をE2Eバックプロセスと定義します。(End to End:はじめから終わりまで)
  • 仕組み
    • E2EカスタマーエクスペリエンスとE2Eバックプロセスは対になっています。ですから最適で筋肉質なE2Eバックプロセス(仕組み)を作ることは、最適なE2Eカスタマーエクスペリエンスを作ることにつながります。データとプロセスからE2Eバックプロセスを改善し、結果としてE2Eカスタマーエクスペリエンスを改善するのが継続的改善カスタマーエクスペリエンスのあるべき姿です。シンプルで標準化された最適なE2Eバックプロセスは収益をあげコストを下げます。
  • 目標(ゴール)と判断基準(KPI):効果指標(CX)と効率指標(生産性)の両方のゴールを決めてオペレーショナルエクセレンスを目指します。(どちらかでは片手落ち)
    • E2Eカスタマーエクスペリエンスの目標(ゴール)は、「内容確認」から「使用開始」までのE2Eカスタマーエクスペリエンスの満足度(顧客体験スコア:例えばNPS)です。顧客体験の向上は収益に影響することがわかっていますのでE2Eカスタマーエクスペリエンスの向上は利益を押し上げます。(E2Eカスタマーエクスペリエンス改善による9つの効果参照)
    • そしてE2Eカスタマーエクスペリエンスを支えるE2Eバックプロセスの目標は、「コンテンツ提供」から「使用開始」までのPLT(プロセスリードタイム:処理時間)です。PLTが短ければコスト(主に人件費)も減り、カスタマーが発注してから納品するまでのPLTをカスタマーの要求(タクトタイム)にあわせることでカスタマーエクスペリエンスも向上します。

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内容確認から注文へ→コンテンツ提供から受注処理

全体の流れの次は、E2Eカスタマーエクスペリエンスのそれぞれのプロセスについて考えます。E2Eカスタマーエクスペリエンスの1つ目は「内容確認」してから「注文」へいたるまでの顧客の体験です。そしてこの体験の良し悪しを左右するのが「コンテンツ確認」から「受注処理」にいたるまでのE2Eバックプロセスになります。

  • プロセス定義
    • E2Eカスタマーエクスペリエンスの「内容確認」というのは、顧客が商品やサービスを購入する際に、重要な確認項目である仕様・価格・在庫・納期等を確認する体験になります。そして、それを支えるE2Eバックプロセスは「コンテンツ提供」です。具体的には価格・在庫・納期を確認できる機能の提供プロセスになります。
    • E2Eカスタマーエクスペリエンスの「注文」とは、仕様・価格・在庫・納期などを確認し注文(発注)を確定することです。そして「注文」を支えるE2Eバックプロセスは「受注処理」です。
  • 仕組み
    • 「内容確認」から「注文」へいたるまでのE2Eカスタマーエクスペリエンスの品質を支えるのは、「コンテンツ提供」から「受注処理」にいたるE2Eバックプロセスです。
    • 「コンテンツ提供」はWebでカスタマーが自分で手軽に簡単出来るセルフサービスができれば一番効果的効率的です。価格・在庫・納期をできるだけリアルタイムで正確に表示するには、強固なデータベースとシステム連携が欠かせません。
    • またセルフサービスで解決できない場合は、問合せ対応をすることになりますが、その場合には電話やメールチャットといったチャネルや価格・在庫・納期の問合せ対応プロセスが明確になっている必要があります。
    • 「受注処理」に関しては、どのような注文チャネルを提供するのか、注文確認ページやメール送信などの仕組みや、ERP(基幹システム)を使っての受注処理・在庫確認・与信確認・請書作成・出荷指示などの処理が含まれます。ポイントはプロセスのシンプル化、標準化、自動化です。(反対は複雑化、属人化、マニュアル化)シンプル化できなければ標準化はできませんし、標準化しなければ自動化はできません。顧客が自分で簡単に内容を確認し注文し、それを支えるE2Eバックプロセスも自動化されているのがベストです。そして、いざ「困った」という時には、すぐに問合せができるアクセスプランと適切な対応ができる問合せ対応プロセスがあるのが理想です。
  • 目標(ゴール)
    • E2Eカスタマーエクスペリエンスの1つ目のプロセスの目標は「内容確認」から「注文」までの満足度(スコア)です。
    • 同様に1つ目のE2Eバックプロセスの目標は、各「コンテンツ提供」や「受注処理」のPLT(プロセスリードタイム)、さらにはコンテンツ提供から受注処理終了までのPLTです。
    • またそれぞれのE2Eバックプロセス「内容確認」ではサイト転換率を、「受注処理」では受注処理率(当日の受注をカットオフまでに処理できた率)などを、パフォーマンスを測る判断基準(KPI)として参照します。

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注文から支払い→受注処理から調達、請求入金

E2Eカスタマーエクスペリエンスの2つ目のプロセスは「注文」から「支払」へいたるまでの顧客の体験です。そしてこの体験の良し悪しを左右するのが「受注処理」から「請求入金」、さらには受注処理で商品を引き当て、在庫を確保する、「調達」のE2Eバックプロセスになります。

  • プロセス定義:
    • E2Eカスタマーエクスペリエンスの「注文」とは、仕様・価格・在庫・納期などを確認し注文(発注)を確定することです。そして「注文」を支えるE2Eバックプロセスは「受注処理」です。
    • E2Eカスタマーエクスペリエンスの「支払」とは、注文した商品・サービスに設定された価格を支払う事です。それを支えるE2Eバックプロセスは「請求入金」です。請求をして入金の確認を行います。受注処理に続いてE2Eカスタマーエクスペリエンスの「調達」のE2Eバックエンドプロセスが動きます
  • 仕組み
    • 「注文」から「支払」へいたるまでのE2Eカスタマーエクスペリエンスの品質を支えるのは、「受注処理」から「請求入金」のE2Eバックプロセスです。
    • 提供する受注チャネルを通して注文が入ったら正確に受注処理を行います。受注処理にはERP(基幹システム)を使っての受注処理・在庫確認・与信確認・請書作成・出荷指示などの処理が含まれます。
    • 「請求入金」は大きく3つの視点で考えることができます。1つめの視点は価格設定です。価格は量・数によって設定を変えたり、時間・期間などで設定を変えたり、セット価格を設定することによってより魅力的な価値を提供することができます。2つ目の視点は支払い形式です。前払いや後払い、分割やサブスクリプションという定額課金(モノの利用権を借りて利用した期間に応じて料金を支払う方式)など利便性を高めることができます。 そして3つ目の視点は支払い方法です。現金や振り込み、クレジット決済、電子マネーなどの支払い方法を選択出来ることで利便性を高めます。受注処理と請求入金が一体化するとより便利で。例えばWebサイトでは注文と同時にカード決済ができるとカスタマーにとっても便利ですし処理する側もミスもなく入金確認が容易になります。
    • 「調達」のE2Eバックエンドプロセスでは、在庫を引き当てる、商品が手元にない場合には発注や製作指示を行い納期までに自社倉庫に受入(入荷)し出荷できる状態にします。
  • 目標(ゴール)
    • E2Eカスタマーエクスペリエンスの2つ目のプロセス目標は「注文」から「支払」までの満足度(スコア)です。
    • 同様に2つ目のE2Eバックプロセスの目標は、各「受注処理」や「請求入金」のPLT(プロセスリードタイム)、さらには受注処理から請求入金終了までのPLTです。
    • またそれぞれのプロセス「受注処理」では受注処理率を、「請求入金」では回収率などを、パフォーマンスを測るメジャー(KPI)として参照します。
    • 調達のE2Eバックプロセスの目標は、「注文」から次の「受取」までの満足度(スコア)です。ここでのE2Eバックプロセスの目標は、「調達」のPLT、さらには「受注処理」から「受入出荷」終了までのPLTです。プロセス「調達」ではサイト在庫サービス率(品切れ率)などを、パフォーマンスを測るメジャー(KPI)として参照します。

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請求と入金3つの視点
需要予測と在庫管理

支払から受取→請求入金から受入出荷

E2Eカスタマーエクスペリエンスの3つ目のプロセスは「支払」から「受取」へいたるまでの顧客の体験です。そしてこの体験の良し悪しを左右するのが「請求入金」から「受入出荷」、さらに前述した「調達」が「受入出荷」につながっていきます。

  • プロセス定義
    • E2Eカスタマーエクスペリエンスの「支払」とは、注文した商品・サービスに設定された価格を支払う事です。それを支えるE2Eバックプロセスは「請求入金」です。請求をして入金の確認を行います。
    • E2Eカスタマーエクスペリエンスの「受取」とは、注文した商品・サービスを受取ることです。それを支えるE2Eバックプロセスは「受入出荷」です。
    • 「調達」のE2Eバックエンドプロセスは、受注処理を受けて在庫を引き当てる、商品が手元にない場合には発注や製作指示を行い納期までに自社倉庫に受入し出荷できる状態にします。
  • 仕組み
    • 「支払」から「受取」へいたるまでのE2Eカスタマーエクスペリエンスの品質を支えるのは、「請求入金」から「受入出荷」のE2Eバックプロセスです。
    • 受注が確定したら合意した価格と支払い形式、支払い方法で請求と入金確認を行います。
    • 「受入出荷」の「受入」は、調達や購買チームからの発注や製作指示により入荷した商品を在庫とし倉庫の指定の場所に棚入れすることです。(プットアウェイ)
    • 「出荷」は、出荷指示に従って商品を棚からとり(ピッキング)、梱包(パッキング)して出荷(配送)することです。
    • 「調達」は需要に応じて適正量を発注し、入庫と出庫のバランスを見て適正な在庫を持つことが(仕掛を少なくする)重要で、これがPLTの短縮とコストの軽減につながります。
  • 目標(ゴール)
    • E2Eカスタマーエクスペリエンスの3つ目のプロセス目標は「支払」から「受取」までの満足度(スコア)です。
    • 同様に3つ目のE2Eバックプロセスの目標は、各「請求入金」や「受入出荷」のPLT(プロセスリードタイム)、さらには請求入金から受取出荷終了までのPLTです。
    • またそれぞれのプロセス「請求入金」では回収率を、プロセス「調達」では在庫サービス率(品切れ率)を、 「受入出荷」では納期遵守率などを、パフォーマンスを測るメジャー(KPI)として参照します。

関連コラム (リンクのないコラムは近日公開予定です)

受入から出荷まで

受取から使用開始→受入出荷からサポート

E2Eカスタマーエクスペリエンス4つ目のプロセスは「受取」から「使用開始」へいたるまでの顧客の体験です。そしてこの体験の良し悪しを左右するのが「受入出荷」から「サポート」のE2Eバックプロセスです。

  • プロセス定義
    • E2Eカスタマーエクスペリエンスの「受取」とは、注文した商品・サービスを受け取ることです。それを支えるE2Eバックプロセスは「受入出荷」です。
    • E2Eカスタマーエクスペリエンスのの「使用開始」とは、商品・サービスを受取り使い始めることです。それを支えるE2Eバックプロセスは「サポート」です。
  • 仕組み
    • 「受取」から「使用開始」へいたるまでのE2Eカスタマーエクスペリエンスの品質を支えるのは、「受入出荷」から「サポート」のE2Eバックプロセスです。
    • 受注が確定したら出荷指示に従って商品を棚からとり(ピッキング)、梱包(パッキング)して出荷(配送)します。在庫がない場合には調達し倉庫に受入れ棚入れをしてから出荷します。
    • その他の在庫・出荷の方法としてドロップシッピング、クロスドッキング、預託在庫、VMIといった方法もあります。
    • 商品が顧客のもとに届き使用を開始する際のE2Eバックプロセスは「サポート」です。まずは説明書などのセルフサポートです。説明をあまりしなくても感覚的に使い方がわかるのがベストです。そうではない場合は、説明用のWebサイトを設け動画などで説明をしたり、トレーニングや教育プログラムを無償や有償で提供したりすることもあります。
    • 商品が先方の思ったものと異なる場合や、不具合・故障などがあった場合は返品や交換を受付けることになりますが、この場合は返品・交換のルールを明確にしておくこと、返品・交換の際の連絡先や方法が簡単にわかることが重要になります。また返品・交換を、理由を問わず全て受け付けるというビジネスモデルもあります。
    • 返品・交換の対応を容易にすることはE2Eカスタマーエクスペリエンスに大きく影響します。できる限り顧客自らがセルフサービスで返品・交換が容易にできる仕組みをつくる方法もあります。人的対応の場合は、応対品質を高く保つことがカスタマーとの継続的な関係維持につながります。
  • 目標(ゴール)
    • E2Eカスタマーエクスペリエンスの4つ目のプロセス目標は「受取」から「使用開始」までの満足度(スコア)です。
    • 同様に4つ目のE2Eバックプロセスの目標は、「受入出荷」や「サポート」のPLT(プロセスリードタイム)です。
    • またそれぞれのプロセス「受入出荷では納期遵守率を、 「サポート」ではクレーム率(出荷数に対する返品・交換やクレームの割合)などを、パフォーマンスを測るメジャー(KPI)として参照します。

関連コラム (リンクのないコラムは近日公開予定です)

サポート・セルフサービスの提供

以上が、E2Eカスタマーエクスペリエンスとそれを支えるE2Eバックプロセスです。プロセスとデータで最大効果最大効率でE2Eバックプロセスを作り、結果として最大効果最大効率のE2Eカスタマーエクスペリエンスをつくる仕組みです。

E2Eカスタマーエクスペリエンスを構築する方法については、以下、継続的改善カスタマーエクスペリエンスの作り方【概要】を参照してください。継続的改善カスタマーエクスペリエンスも継続的改善マーケティング戦略同様に、DMAIC手法を使って考えます。今のカスタマーエクスペリエンスの現状を理解して、あるべき姿のE2EカスタマーエクスペリエンスとE2Eバックプロセスを作り継続的に改善します。

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