エンゲージメントを高めるネット3点セット

3点セット
  • ネットエンゲージメントを高める3点セットとは、会員サイト、会員SNS、会員QAサイトだ
  • それにより、顧客同士、人によるサポートの組み合わせで顧客とのつながりを強化する

詳しくは以下のコラムで

優良顧客のエンゲージメントを高める

売上を増やしていくためにはもちろん顧客獲得は継続していかなければなりませんが、新規顧客獲得をし続けるためにも優良顧客の維持が大切です。

全体の2割の優良顧客は8割の利益を生み出すと言われます。当然LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)も高いですし、プロモーターになって新規顧客を口コミから誘導することもあります。優良顧客はしっかりと維持しましょう。さらに新規顧客獲得は顧客維持の5倍以上のコストがかかるともいわれています。いったん獲得して育成した優良顧客を逃がす手はないのです。

優良顧客を維持するために優良顧客のエンゲージメントを高めましょう。ここでいうエンゲージメントとはツイッターなどのSNSで使うエンゲージメントという言葉とは少し違います。

ここでいうエンゲージメントとは、顧客の注意や興味を引きつけながら企業と顧客のつながりを強固なものにするといった意味です。簡単に言うといつまでも自社のファン、推奨者(プロモーター)でいてもらうという意味です。

優良顧客のエンゲージメントを高めには特別感をもってもらうことが必要です。その効果的な方法としてネット顧客でいることの価値を実感できる仕組み3点を紹介します。

会員サイト

優良顧客のエンゲージメントを高めには特別感をもってもらうための仕組み3点とは、

• 会員サイト

•  会員コミュニティ

•  会員QAサイト

これらの3点セットがあることによって、より良いコミュニケーションが生まれます。それぞれの役割について簡単に説明をします。まずは会員サイトです。

会員サイトは会員だけがアクセスできるサイトです。会員だけが見ることができるオファーやコンテンツなどが提供されます。ですから会員以外がアクセスできないような仕掛けが必要です。

また常に会員だけが会員サイトにアクセスできるようにするため、会員クラブを退会したユーザーが、退会後に会員サイトにアクセスできなくする必要があります。会員サイトでは会員だけの特別な内容が提供されます。例えば次のようなものです。

  • 会員だけがアクセスできる情報やコンテンツ
  • 会員だけが使うことができるツール
  • 会員だけが受けることができるサービス

会員対して無料の付加価値を提供すると同時に、リピート購入していただくための取り組みも効果的に行いましょう。例えば、

  • 会員だけの特別オファー
  • 会員だけの特別価格
  • 会員限定キャンペーン

会員だからこそ、企業やあなたのテーマや信念に共感しているからこそ、お届けする商品の価値を理解している人達だからこそできるオファーがあります。そして売りを加速する方法は、ここでも役に立ちます。会員のリストを使って効果的なメールによるコミュニケーションを行いましょう。

航空会社がはじめたFSP(フリークエントショッパープログラム)でマイルをためるために、その航空会社か提携している航空会社しか使わないという人も多いのではないでしょうか。

これがポイントプログラムの始まりです。

最近はポイントサービスがいろいろな会社で行われていて乱立していますが、このように会員サイトと優良顧客リストを上手に使いこむことによって優良顧客を囲い込みエンゲージメントを高めることができます。

会員コミュニティ

優良顧客のエンゲージメントを高めには特別感をもってもらうための仕組み2つ目は会員コミュニティです。コミュニティを作ることで顧客間、ユーザー間のつながりを強めます。

そもそもリアルの世界におけるコミュニティとは、居住地域を同じくし、利害をともにする共同社会あるいは集団という意味です。インターネットの広い世界の中で、興味を持っているテーマが同じであり、目指すものが同じあるいは近いということは、コミュニティを形成する前提があるということです。

会員の人同士が触れ合うことができる場所をネット上に提供することで、あなたのテーマに関してのコミュニティをネット上に作るのが会員コミュニティです。興味を持ったテーマが同じ会員でコミュニティを作るといったい何が良いのでしょうか?それを理解するためには、人が集まると起こることを考えるとわかりやすいでしょう。

場所をネット上に提供すると、はじめは同じ関心を持っていた仲間達がただ集まっていたのが、いずれパワーを持つ集団になります。コミュニティの中で仲間達と、商品やサービスの価格や質について情報交換をするようになるのです。そしてインターネットでのコミュニティは場所や時間は関係ありません。

では、実際どんな人にどんな便利をもたらすか?ですが、コミュニティサイトが適切に機能し始めれば、コミュニティに参加する会員にとっても、コミュニティを運営する人にとっても、両方にとって便利になる可能性があるのです。

コミュニティに参加する会員にとっての便利な点は、

  • 同じ事に関心のある人を紹介できる
  • 場所や時間に関係なく直ぐにアクセスできる
  • テーマに関する情報共有できる
  • 商品選択と購入の決断の材料を得る事が出来る
  • サービスやサポートの質問に対する回答を得る
  • 苦情の解決
  • 商品仕様や使い方のヒントの共有
  • 参加者どうして協力してビジネスをする機会を得る

コミュニティを運営する人にとっての便利な点は、

  • 会員を知る機会を得て関係の強化ができる
  • 口コミによるユーザーの拡大
  • ブランド認知の向上
  • 新商品開発の調査やテスト販売に協力してもらう
  • 会員サイトにのせるコンテンツの作成
  • より有意義なサービス関係の構築
  • ユーザー同士の商品サポートの発生

両方にとってこういった便利な流れを作ることができます。そして同じ関心をもった人が集まるという事は、そこにスティッキネス(吸着力)をもたらします。サイトのスティッキネス(吸着力)とはひっつき度合い、つまりどれだけあなたのサイトに長くいてもらえるかということです。

3つの要素が関連します。①滞在時間、訪問者がどれだけサイトにとどまっているか?②深度、訪問者がどれだけ熱心にサイトを探求するか?③頻度、訪問者はどのくらいの頻度で戻ってくるか?これらが大きければ、スティッキネスが高くなり、収入が大きくなります。

次にどうやってネット上で会員コミュニティを作るのか?ですが、もちろん独自のシステムをつくることもできますが、

フェイスブックなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の、仕組みを使うのが手早く簡単で良いと思います。またコミュニティを作る際には目的を明確にしましょう。

会員QAサイト

優良顧客のエンゲージメントを高めには特別感をもってもらうための仕組み2つ目は会員QAサイトです。

SNSという仕組みを利用した会員コミュニティの中では、いろいろな人が自由にいろいろなコミュニションを行うことができます。自由なコミュニケーションをすることによって人と人との関係を深めることができ、そこがSNSの良いところです。

一方で、SNSは質問をする、質問にしっかりと回答をする、困ったことを相談する、相談に的確に答えるといったことには必ずしも適しません。

なぜかというと、ひとつの質問に対して回答を求める、質問と回答が常に対になって表示されるという仕組みになっていないからです。ですからSNSの仕組みの中では、話が横道にそれてしまったり、質問しても的確な回答を得ることができなかったりということが起きます。

これを解決するのがQAシステムです。フォーラム機能、掲示板機能というように表現されることもあるかもしれません。QAシステムにおいては、質問を軸にコミュニケーションが展開され、質問(Question)と回答(Answer)の流れをわかりやすくまとめることによって、話題が横道にそれるのを防ぎます。

会員コミュニティによって便利になる可能性としてあげた、

  • サービスやサポートの質問に対する回答を得る
  • 顧客同士、ユーザー同士の商品サポートの発生

この点に関しては、SNSの仕組みではなく、QAシステムを使うことによって、会員QAシステムを作るのが望ましいと思います。というのも、商品に関しての具体的な質問は明確に回答するべきですし、そのことがサポートにつながる、商品を購入した人の満足度につながるからです。

そして見逃していけないのが、「顧客同士、ユーザー同士の商品サポートの発生」というポイントです。多くの人が困ったり、迷ったりする問題はその他の多くの人も同じように困ったり迷ったりしていることが多いのです。まして取り組むテーマが同じであれば尚更です。

そして顧客同士、ユーザー同士が助け合って問題を解決できれば、それが一番ですし、助け合うことによって更につながりもでてきます。

一度、ある問題に直面しながらも解決できた人がいたら、今度はその人が同じ問題に直面している人に教えてあげると良いのです。

教えてあげた人は共感すると同時に、自分の知識が他の人の役に立った喜びを感じることができますし、教えてもらった人は感謝の気持ちが生まれるでしょう。

顧客同士、ユーザー同士が助け合って問題を解決してくれれば、会員の質問に回答といっても必ずしもあなたが全てに答えることがないのです。こちらから1つ1つに回答する時間も節約できます。会員QAサイトはユーザー同士が助け合うことで成り立っているセルフサポートのひとつということができます。

サポートを強化する

優良顧客のエンゲージメントを高めるには、商品やサービスを購入した人があなたから買ってよかったと思ってもらうことが大切です。

そのためにも売ったらおしまいというのではなく、売った後のサポートが重要になります。Saasなどのソリューションを手掛ける会社に多いカスタマーサクセスという考え方があります。購入はスタート地点で顧客が成功をするようにサポートすることで離脱を防ぐとともにLTVと利益を上げていくという考え方です。

しかし時間的にも資金的にもできることには限りがありますし、あまりにも手間や時間のかかることを中途半端にはじめるのも良くありません。

サポートが重要であることは十分わかっているけれど、中途半端なサポートを提供して、かえってお客様を混乱させては意味がないからです。価値を更に実感する3点セット(会員サイト、会員コミュニティ、会員QAサイト)を、できる限り効率的に活用しましょう。

また、はじめから3つ全てがなくてはスタートできないということもではありませんし、必ず3つがなくてはいけないということでもありませんので、はじめは会員サイトだけを用意して徐々に拡げるという考えかたもありです。

自動でできるところは極力自動化することによって、少ない時間で充実したサポートを提供するという、一見不可能なように思えることを実現することが可能になってきます。

例えば会員サイトにはお客様が自分で使えるPDFや音声、動画によるサポートを整備しましょう。ステップメールとPDFや動画を組み合わせることで、自動のeラーニングコースを作ることもできます。

ユーザー同士が助け合う、自己解決型の会員QAサイトを最大限に活用し、FAQ(よくある質問)を設けておくことも良いでしょう。まずは、こういった自動、半自動のサポートを充実させることからはじめましょう。

こういったセルフサービス化は、自分で解決したいタイプの方に喜ばれます。セルフサービス化ができたら、更にサポートを強化することもできます。

次のステップは、お客様ひとりひとりにカスタマイズされたサポートの提供です。必要とする人には自動の固定化された標準サポートではなく、生身の人によるマニュアル作業のサポートを行うのです。

例えばメールや電話、チャット、オンラインなどによるサポートがそれです。こういったサポートは時間や手間はかかりますが、お客様とやり取りすることで、よりお客様の状況を理解できますし、サポートによるお客様の満足度もアップと売り上げアップが期待できます。

さらにマニュアル作業化とカスタマイズ化をすすめるとどうなるでしょうか?究極のマニュアルのカスタマイズされたサポートは訪問です。セミナーや懇親会を開くということもできます。ここまで考えてみると、次のような流れがあることに気がつきます。

  • 自動マニュアル
  • 標準カスタマイズ

自動でおこなうセルフサポートからマニュアル作業にすればするほど、固定化した全ての会員に同じ標準サポートから、ひとりひとりにカスタマイズするほど、サービスの質が上がる確率は高くなりますが、あなたの時間、ひとりひとりのサポートにかかる時間はかかることになります。当然それに見合うだけの売り上げが必要になってきます。

しか自動や標準のサービスであっても、必ずしもサポートの質が低いということにはなりません。インターネットの特質をうまく使えばマニュアル、カスタマイズのサービスに負けない、それ以上の品質のサポートも可能だと思います。

ネット上でビデオ会議を簡単にできたり、遠いところにあるPCを遠隔操作でコントロールしたりといったこともできますし、ネットのサポートはアイデアしだいで高めることができるかもしれません。技術革新はもっと進むでしょう。新しいサポートの方法もどんどん生まれていくと思います。でもポイントは「お客様のためになっているか」ということですから、お忘れなく。

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