顧客サクセスストーリーをつくる

顧客サクセスストーリー
  • 顧客サクセスストーリーとは、顧客を成功させるための価値提案パッケージです
  • 成功事例を横展開し、より効果的効率的に利益をあげることができます

詳しくは以下のコラムで

顧客サクセスストーリーとは

ひとむかし前は、商品を作って広告をすれば売れるという時代もありました。でも今では企業が情報を発信して顧客が受け取るという流れは終わり、様々な情報を顧客となる人々も発信できるようになりました。価格や納期もネットで検索して比較することが簡単にできます。

こういった時代においては単に商品やサービスを売るということでは、競争できなくなります。商品やサービスだけではなくて、その商品やサービスを使用することによって生まれる付加価値を提供しなくてはなりません。

また商品やサービスを売ったら後は知らないというスタンスもダメです。その商品やサービスによって生まれる付加価値によって顧客が目標を達成し、あるいは悩みや課題を解決し成功するまでをソリューションとして提供することが必要なのです。

商品を提供するプロダクトセリングではなく、商品やサービスから生まれる価値を提供するバリューセリングが必要になります。そのために顧客が商品やサービスを使用して成功するストーリーをつくって価値提案するのです。その顧客が成功する説得力のあるストーリーが「顧客サクセスストーリー」です。

価格で勝負するのは大変です。人々は簡単にネットで検索して価格を知ることができます。そして価格で勝負して買っても、競合がさらに価格をさげるとあっという間に負けてしまいます。しかし価値で勝負すれば状況は一変します。価値を提案して競合に勝てば、価格は二の次になるのです。価格で戦う必要が少なくなります。価格ではなく価値で勝負することで結果的に少ない工数で大きな利益をあげることが可能になるのです。

次からは顧客サクセスストーリーの作り方を説明します。

顧客サクセスストーリーの作成手順

顧客サクセスストーリーは、大きく以下の4つのステップで作ることができます。

①顧客を理解する
②顧客の悩みを掘り下げる
③悩みを解決できるソリューションを探す
④顧客サクセスストーリーを作り提案する

それでは1ステップごとに手順をみていきす。

①顧客を理解する

1つ目のステップは「顧客を理解する」です。ここでは企業の視点ではなく、顧客の視点に立って(顧客になったつもりで)状況を整理し理解することが必要です。顧客を知っているようで本当に理解していないということはよくあることです。

顧客を理解するポイントは以下になります。

  • 顧客の存在するマーケット(市場)やアプリケーション(応用分野)ー どんな業界でどんな商品やサービスを提供しているのかを知る。
  • 顧客の企業の組織体系にどのような職種が存在しているのか、キーマンである顧客の職種を知る。
  • 顧客の喜びと痛みを知るー どんな時に喜びを感じ、どんな時に痛みを感じるのか、例えば納品スピードが速いということに喜びを感じる、選定する際の手間が多いということに痛みを感じるといったことです。
  • 課題やニーズ - 顧客が働く企業、部門の抱える課題やニーズは何かを理解します。顧客の目に見えている課題ばかりではなく、顧客が気づいていない潜在的課題もあります。
  • 社内ステークホルダー - B2BはB2Cと異なり購入の際に関わる人が多くなります。使用者、購入者、選定者、決定者など、どのような人が関わるのかを理解します。
  • 購買プロセス、サイクル - 多くの社内ステークホルダーがどのように絡んで購入に至るのか、その頻度はどの程度かなどのその企業における独自の購買プロセスを理解します。
  • R&R、目標 - 顧客が担っている役割と責任(R&R:Role & Responsibility)、そして目標を理解することで顧客がどのような場合に成功と考えるのかを知りストーリーを作ります。

②顧客の悩みを掘り下げる

様々な角度から顧客を知ったら、次に顧客の悩み・課題を掘り下げていきましょう。

顧客の企業や顧客自身が目標を達成するために乗り越えなければならない課題をより深く理解することで、ニーズや提供すべき解決法が見えてきます。

また課題には顧客自身が気づいている意識している表面的な課題だけではなく、顧客自身ですら気がついていない潜在的な課題があるので注意が必要です。

表面的な悩みの裏側に潜む根本的な問題、その本質は何かをよく考えましょう。

例えば表面的にコストを下げたいという悩みがあるとして、その本質的な問題はコストではなく、顧客が気づいていないプロセスの非効率かもしれません。また担当者の視点ではなく経営者の視点からより大きな課題に目をむけてみましょう。

この悩みを掘り下げるステップを飛び越して解決策を作ると、悩みの本質的な問題を見失うことになる危険があるので、かならずこの顧客の悩みを掘り下げて問題の本質、根本原因を理解します。

③悩みを解決するソリューションを探す

顧客を理解して悩みを掘り下げたら、顧客の表面的、潜在的な悩みを解決するソリューションを探します。

そのためには、企業のもっている価値やソリューションを棚卸しすることから始めましょう。自社のことをわかっているつもりでも、自社の価値は何か考えてみると意外にわからなかったりするかもしれません。実際に提供している商品やサービスといった目に見える価値や、ブランドや信頼といった目に見えない価値もあるでしょう。

企業が提供する独自の価値、いわゆるバリュープロポジションを明確にして、人的リソースや資金といった企業の強みを最大限に活かして顧客の悩みを解決するソリューションを作ります。ここでは商品単体ではなく、顧客が成功できる総合的なソリューションをつくってパッケージ化することが大切になります。

④顧客サクセスストーリーを作り提案する

顧客の悩みを解決する総合的なソリューションをつくってパッケージ化したら終わりではありません。実はここからが大切です。

顧客の置かれている状況を理解し、悩み課題とその本質的な問題点を指摘し、その問題点を取り除く総合的なソリューションを顧客サクセスストーリーとして作り上げるのです。顧客が成功するイメージをわかりやすく表現し、顧客を成功させるサクセスストーリーを作ったら提案します。

提案は現場の担当者レベルの人ではなくキーマンに対して行います。一担当者に提案を行うと価格や納期の話に終始してしまいます。作成した顧客サクセスストーリーは、目先のではなく中期的な状況を見据えた総合的なストーリーです。決定権をもった経営陣に行うことで総合的な価値提案が可能になります。

さらに顧客サクセスストーリーが成功したら、その成功事例を使って横展開しましょう。顧客サクセスストーリーをパッケージ化するのは次の展開を想定してのことなのです。

成功した顧客サクセスストーリーがあれば、同じような市場の、同じような悩みをもった顧客が必ずいるはずです。データ分析して同類の顧客をみつけ、同じような顧客ストーリーを展開することが出来れば、より効果的効率的に利益をあげることができるのです。

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