カスタマージャーニー(顧客獲得の仕組み)とは

  • カスタマージャーニーとは、新規顧客獲得のプロセス(手順)です
  • それにより、最大効果最大効率で質の高い新規顧客を引き寄せて獲得することができます

詳しくは以下のコラムで

カスタマージャーニーとは何か?

カスタマージャーニー(新規顧客獲得の仕組み)とは、市場にいる人々が会社やサービスの存在を知って(認知)、反応して(リード)、さらに興味をもって(プロスペクト)、買って(カスタマー)、ファンになって (プロモーター)拡散するというカスタマーが経験する一連の行動です。これをカスタマーの旅に例えてカスタマージャーニーといいます。

この旅は企業サイドから見れば新規顧客獲得のプロセス(手順)ということができます。つまり買っていただくためにどのように市場の人々に接触するのか、どの順番でどんなアプローチするのかということであり、マーケティングコミュニケーションをプランするための基本となる考え方です。

人々が購入にいたる心理や行動については様々なパターンがありますが、様々なカスタマージャー二―を体系化、プロセス化してデータで効果を検証しながら改善することで、マーケティングコミュニケーションをより効率的・効果的に行うことができます。

カスタマージャーニーをより深く理解するためには、ダイレクトマーケティングを知る必要があります。ダイレクトマーケティングとはさまざまな方法を使って市場の人々(ターゲット)に接触を行い、人々の反応(レスポンス)を取ってリスト化し、そのリストにアプローチすることで、できるだけ多くの人をできるだけ早く認知者からプロモーターへ(図の左から右へ)と移動させる方法です。リストとしてデータ化しデータを保有することで、後からでも継続的にアプローチできるのがダイレクトマーケティングの強みです。

認知→リード→プロスペクト→カスタマー→プロモーターといった各プロセスにおける定義を明確にして、各プロセスの人数とプロセス間の移行率(コンバージョン率)、移行させるためにかかった費用や投資効果などをデータで確認しながら最適なコミュニケーションの方法を取り、最大効果(多くのカスタマーを獲得する)最大効率(できるけ安価に)を論理的に追及すします。

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カスタマージャーニーの全体像

ではカスタマージャー二―の各プロセスの説明、プロセス定義、とるべきマーケティングコミュニケーション(行動)、目標(ゴール:KGI)、そのゴールの達成度を判断するためにみるべきデータ(指標:KPI)について説明します。まずカスタマージャーニー全体についてですが、以下のようになります。

  • プロセス定義:市場にいる人々が会社やサービスの存在を知って(認知して)、なんらかの反応をして(リードになって)、さらに興味を持って(プロスペクトになって)、買って(カスタマーになって)、ファンになって(プロモーターになる) 拡散する 全体のプロセスです。市場→認知→リード→プロスペクト→カスタマー→プロモーターといったプロセス全体をカスタマージャーニーと定義します。
  • コミュニケーション:ターゲットのステイタス(人々が市場→認知→リード→プロスペクト→カスタマー→プロモーターのどの状態にいるのか)によってメッセージと伝える方法を切り替えます。
  • 目標(ゴール、KGI)と判断基準(KPI) :現状からあるべき姿を実現するためにカスタマージャーニー全体の適正なゴール(数値)を設定します。目標に対して結果、費用対効果はどうなっているかを判断するための判断基準(KPI)はROI(Return on investment=利益÷投資額×100:投資した費用から、どれくらいの利益・効果が得られたのかを表す指標「投下資本利益率」)です。

ROIを左右するのは利益とコストなので、利益面ではLTV(顧客生涯価値=Life Time Value: 1人の顧客が一生涯の間にもたらす価値)、コスト面ではCPC(Cost per Customer=マーケティング費用÷新規カスタマー獲得数)を見ることで、利益面とコスト面のどちらの影響が強いかを判断することが出来ます。

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標的市場→認知者→リードへと引き寄せる

全体の流れの次は、カスタマージャーニーのそれぞれのプロセス(ステップ)について考えます。1つ目のプロセスは市場にアプローチして認知者を増やし、リードに変えるプロセスです。以下がそのプロセスです。

  • プロセス定義:
    • 標的市場とは、市場をいくつかの切り口でグループに分け(セグメンテーション)、そのなかから選んだ一つのグループ(ターゲッティング)のことです。
    • 認知者とはその会社や会社の商品・サービスを知っている人です。社名をいわれればわかる、サービス内容までわかるなどレベルがいろいろありますが、「知っている」人です。
    • リードとは商品・サービスを知って何かしらの行動を起こした人です。ホームページを見たり、広告をクリックしたり、問合せたり、資料をダウンロードしたりといろいろなレベルがあります。広い意味での見込み客ですが、実際にサービスを利用する気持ちがまだ弱い人から強い人まで様々です。
  • コミュニケーション:人々に知ってもらい、認知者をリードに変える方法は、コミュニケーションミックスです。様々なメディアや方法を使って標的市場に対してコミュニケーションを行います。引き寄せることでアクセスを集めて、広告をクリックしたり、問合せたり、資料をダウンロードしたりといった行動を市場にいる潜在顧客に起こさせることで、こちらからアプローチできるようにします。
  • 目標(ゴール、KGI)と判断基準(KPI) :現状からあるべき姿を実現するために、本プロセス(標的市場→認知者→リード)の適正なゴール(数値)を設定します。目標に対して結果はどうなっているかを判断するための判断基準(KPI)は認知者数とリード数、コンバージョン率(CV率=リード/認知者数)です。これを誘引力ということができます。

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リードをプロスペクトに変える

カスタマージャーニーの2つ目のプロセスはリードをプロスペクトに変えるプロセスです。

  • プロセス定義:
    • リードとは商品・サービスを知って何かしらの行動を起こした人です。
    • プロスペクトとは潜在顧客です。単に広告にアクセスしたりSNSで匿名投稿したりというのではなく、名前、住所、電話番号やメールアドレスなどのリスト化できている顧客になる可能性の高い人というとわかりやすいかもしれません。
  • コミュニケーション: リードをプロスペクトに変える方法は主にコンテンツマーケティングです。ターゲットとなる人が興味をもつようなコンテンツをつくり、リードやプロスペクトがアクセスするようにメディアで配信したり、Webサイトに置いたり、コミュニティで発信したりして訴求し好奇心を膨らせます。
  • 目標(ゴール、KGI)と判断基準(KPI) :現状からあるべき姿を実現するために、本プロセス(リード→プロスペクト)の適正なゴール(数値)を設定します。目標に対して結果はどうなっているかを判断するための判断基準(KPI)はリード数とプロスペクト数、コンバージョン率(CV率=プロスペクト数/リード数)です。これを好奇心のレベルということができます。

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プロスペクトをカスタマーに変える

カスタマージャーニーの3つ目のプロセスはプロスペクトにアプローチして、カスタマーに変えるプロセスです。

  • プロセス定義:
    • プロスペクトとは、リストを保有しこちらからアプローチが出来る、購入する可能性が比較的高い潜在的なカスタマーです。
    • カスタマーは商品やサービスを購入した人(顧客)です。カスタマーには新規カスタマーと既存カスタマーが存在しますが、この場合は新規カスタマーを指します。
  • コミュニケーション: プロスペクトをカスタマーに変える方法は複合的なアプローチが必要ですが、メールマーケティングやオムニチャネル対応(オフラインとオンラインの融合)、人的なアプローチとして営業活動などがあります。営業活動は電話をしたり訪問したりして価値を売る活動ですが、コストが高いので購入の確率の高いプロスペクトに絞って行う事が大切です。
  • 目標(ゴール、KGI)と判断基準(KPI) :現状からあるべき姿を実現するために、本プロセス(プロスペクト→カスタマー)の適正なゴール(数値)を設定します。目標に対して結果はどうなっているかを判断するための判断基準(KPI)はプロスペクト数とカスタマー数、コンバージョン率(CV率=カスタマー数/プロスペクト数)です。これをコミットメントのレベルということができます。

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カスタマーをプロモーターに変える

カスタマージャーニーの4つ目のプロセスはカスタマーにアプローチして、プロモーターに変えるプロセスです。

  • プロセス定義:
    • カスタマーは商品やサービスを購入した人(顧客)です。カスタマーには新規カスタマーと既存カスタマーが存在しますが、この場合は新規カスタマーを指します。
    • プロモーターは奨励者で、周りに良い口コミを発信したり、すすめてくれたりするファンです。プロモーターが増えると口コミで新規顧客が増えたり、マーケティング費用が削減されたり、様々な良いことがあります。
  • コミュニケーション: カスタマーをプロモーターに変える方法は、カスタマーエンゲージメント向上プログラムなどです。利便性を極限まで追求したり、問合せに素早く回答したり、会員サイトや会員特別オファーなどによりカスタマーに特別感を与えることにより奨励や良い口コミを増やします。
  • 目標(ゴール、KGI)と判断基準(KPI) :現状からあるべき姿を実現するために、本プロセス(カスタマー→プロスペクト)の適正なゴール(数値)を設定します。目標に対して結果はどうなっているかを判断するための判断基準(KPI)はカスタマー数とプロスペクト数、コンバージョン率(CV率=プロモーター数/カスタマー数)です。これを親近感のレベルということができます。

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以上が、カスタマージャーニーです。プロセスとデータで費用対効果を最大限まで高める、人の反応(レスポンス)によって関係を深くしながらLTVを高める仕組みです。

カスタマージャーニーを構築する方法については、継続的改善カスタマージャーニーの作り方を参照してください。継続的改善カスタマージャーニーも継続的改善マーケティング戦略同様に、DMAIC手法を使って考えます。今のカスタマージャーニーの現状を理解して、あるべき姿のカスタマージャーニーを作り継続的に改善します。

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