ダイレクトマーケティングがカスタマージャーニー(顧客獲得の仕組み)の基本

  • ダイレクトマーケティングとは、人を引きよせ反応を計算して顧客獲得をする方法です
  • この考え方を使い、最大効果最大効率を生むカスタマージャーニーを論理的につくります

詳しくは以下のコラムで

カスタマージャーニーを理解するにはダイレクトマーケティングを理解する

カスタマージャーニー(新規顧客獲得の仕組み)とは、市場にいる人々が会社やサービスの存在を知って(認知)、反応して(リード)、さらに興味をもって(プロスペクト)、買って(カスタマー)、ファンになって拡散する(プロモーター)というカスタマーが経験する一連の行動です。これをカスタマーの旅に例えてカスタマージャーニーといいます。

カスタマージャーニーをより深く理解するためには、ダイレクトマーケティングを知る必要があります。ダイレクトマーケティングとはさまざまな方法を使って市場の人々(ターゲット)に接触を行い、人々の反応(レスポンス)を取ってリスト化し、そのリストにアプローチすることで、できるだけ多くの人をできるだけ早く認知者からプロモーターへ(図の左から右へ)と移動させる方法です。リストとしてデータ化しデータを保有する事で、後からでも継続的にアプローチできるのがダイレクトマーケティングの強みです。

認知→リード→プロスペクト→カスタマー→プロモーターといった各プロセスにおける定義を明確にして、各プロセスの人数とプロセス間の移行率(コンバージョン率)、移行させるためにかかった費用や投資効果などをデータで確認しながら最適なコミュニケーションの方法を取ることで最大効果(多くのカスタマーを獲得する)最大効率(できるけ安価に)を論理的に追及することが出来ます。

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ダイレクトマーケティングとの出会い

私がはじめて“ダイレクトマーケティング”という手法を知ったのは、ある外資系の通販会社の日本立上げにマーケティングマネージャーとして参加した時でした。

世の中的にもまだインターネットはビジネスに普及しておらず、この当時でダイレクトマーケティングをやっていた企業は日本ではわずかだと思います。1998年、ちょうどアマゾンジャパンが出来た年です。このダイレクトマーケティングは私にとって新鮮でとても衝撃的でした。

ダイレクトマーケティングとは、簡単にいうと市場の人々に対して直接アプローチしてレスポンス(反応)をとり、どのルート(経路)で入ってきたのかといったソース情報(Web広告、DM、新聞や雑誌などの何月号のどの広告に反応したのかといったデータ)を含む個人データをデータ化し、もっとも効果効率の高いソースに投資を集中させて限りある予算の中で最大の新規顧客を獲得するといった方法です。

レスポンスからお客様に至るまでのプロセスをデータで管理し論理的に改善できるのがダイレクトマーケティングの特徴です。プロセスとデータで論理的に方向を導いて結果を出す科学的な方法です。昔DMを感覚に頼って送っていた広告会社当時とは全く違っていました。

私はこの先進的なダイレクトマーケティングに夢中になり勉強して実践していきました。結果ダイレクトマーケティングの手法を使って3年で3万件のアカウント(企業リスト)と取ることが出来ました。

ダイレクトマーケティングは論理的です。勘ではありません。人の反応に注目して1つの反応をとるのにいくらかかるかを計算します。逆に考えると何人の新規顧客を獲得したい場合には、いくらの予算が必要なのかがわかるのです。ダイレクトマーケティングを知ってしまうと、効果を計測しないやりっぱなしの広告を打つことができなくなります。

ワンステップ販売と2ステップの販売違い

ダイレクトマーケティングの大きな特徴はレスポンスからリスト(個人データ)をとってデータベース化するというところにあります。リストをとりデータを正しく保存することによって継続的にアプローチすることが可能になります。

通常の販売方法とダイレクトマーケティングの違いをワンステップ販売とツーステップ販売ということで説明しますので、以下の図を見てください。上がワンステップ販売で下がツーステップ販売です。ダイレクトマーケティングは下のツーステップ販売になります。

ワンステップ販売とは、売るステップが1回ということです。Webなどで商品と申し込みの電話番号やURLを告知し販売したり、店頭に来た人に対して対面販売を行うといった売り方です。ワンステップ販売の場合には、告知を見た人がその時に買うことを決めることが必要であり、タイミングが非常に重要になってきます。つまり少し興味があっても、その時にかわなければ終わりなのです。直接的は販売方法なので即効性がありますが、空振りも多くタイミングがあわないとダメです。投資も大きくなりがちです。

一方、ツーステップ販売は売るステップが2回以上ということです。有益な情報やコンテンツなどを配信し、まず情報やコンテンツを提供する代わりにリストをとります。次にそのリストに継続的にアプローチすることで最終的な購入に誘導するという方法です。

ワンステップと違い、少し興味があって資料やコンテンツをみたりダウンロードしたりした人に継続的にアプローチできるので、その時は購入しなくても、購入するタイミングに再度アプローチできる可能性が高まるわけです。

1回ではわからない商品やサービスの特徴や価値を伝えていくことえ購入意欲を徐々に高めていくこともできるのです。リスト化しているのでいつでもアプローチ可能であり、費用対効果も高くなります。ダイレクトマーケティングにコンテンツを使うという意味合いで。コンテンツマーケティングということもあります。

ダイレクトマーケティングはレスポンスでリストをとり継続的にリストを育てて購入まで誘導する(育成:ナーチャリング)ことができる効率的な方法なのです。

ダイレクトマーケティングの考え方

カスタマージャーニーはダイレクトマーケティングの考え方で顧客が経験する一連の行動をプロセスとして論理的に理解する方法です。企業側はただカスタマージャーニーを見ているだけでなく、より少ないコストで質の良い顧客を獲得するために企業側からアプローチをかけていきます。

以下はダイレクトマーケティングの基本的な考え方です。図の中央にある円がプロセス、円の大きさが人数というようにイメージしてくうださい。そして円の上側が市場にいる人が購入していくまでの流れ、そして円の下側がそれぞれのタイミングで企業のやるべきことは何かを表したものです。

一番左側の円は市場です。はじめに、この市場に対して広告やSEOや人などの様々な方法を使ってアプローチします。売り込もうとするのではなく、興味のある人を引き寄せる有益な情報やコンテンツを提供するのがポイントです。

すると下の図のように、興味のある人は提供された情報やコンテンツに反応します。興味をもった人は、さらに詳しい情報やPDFや動画やセミナーや本などのコンテンツを入手したいと思い必要な個人情報を入力します。

顧客側から見ると情報やコンテンツに興味をもって入手するという行動ですが、企業側からみると見込み客をとる、リストとして個人情報を入手するという仕掛けになります。これがワンステップです。

磁石の絵を使っていますが、このように興味のある人を磁石のように引き寄せるのがポイントです。売り込んだり無理やりリストを獲得しようとしたりしてはいけません。なぜなら情報にあまり興味のない人は長い目で見ると利益をもたらす優良な顧客になる可能性が低いからです。質の低いリストをとるとコストがかかっても利益が出ないという状態になるので、自らの意思で情報を取りに来るような潜在的な購入量の高いと思われるリストのみをとるようにします。

次に情報やコンテンツを入手した顧客は、情報をみたり読んだりして内容に興味をもっていきます。これは顧客側から見ると情報やコンテンツをもっと知るという行動ですが、企業側からみると獲得したリストに対してさらなる情報を提供することで教育するという仕掛けになります。ここでもあせって売り込んでははいけません。さらなる情報を提供しながら顧客が自分の意志で購入するタイミングを待ちます。

この企業の見込み客を教育して育てる仕掛けを、英語のnurture(ナーチャー:育成)を使ってリードナーチャリングといったりします。

購入に至って顧客になっていただいたら2ステップ目は成功です。でもこれで終わりではないのです。リストをいうデータをもっている強みはここからはじまります。

企業サイドから顧客にいつでもアプローチできる仕組みを作ることができたので、顧客にもっと買ってもらったり、違うサービスを利用してもらったり、他の顧客を紹介してもらったりすることで最大の効果を引き出します。ここがデータベースマーケティング、ダイレクトマーケティングの醍醐味です。

この一連の顧客の行動がカスタマージャーニーであり、最大効率と最大効果を生むようにカスタマージャーニーをコントロールするのがダイレクトマーケティングです。

ダイレクトマーケティングのメリット

このようにダイレクトマーケティングは企業側からアプローチすることで、顧客のカスタマージャーニーをコントロールすることができます。どのタイミングでどのような事をするとカスタマージャーニーが最適な流れになるかをプロセスとデータを見ることでシュミレーションすることができるのです。

以下の図は、カスタージャーニーの各ステイタスの数を示したものです、この市場→認知→リード→プロスペクト→カスタマー→プロモーターの流れの中の、各ステイタスの数とCV率(コンバージョン率:ステイタスからステイタスへ異動する確率)から新規顧客をとるためにはいくらのコストがかかるのか、あるいはいくらの予算で何人の新規顧客をとるのかといったことが計算で割り出せるのです。売上を計算できる、コストを計算できる、予測から論理的な目標をたててアクションできるのがダイレクトマーケティングの大きなメリットです。

そして各スタイタスに対するアプローチとしてのコミュニケーションの質やタイミングを向上させることで、効率と効果を向上させることができます。またダイレクトマーケティングの考え方はデータとプロセスで効果測定と改善を行うので、アクセスや行動をログで計測できるWebとの相性は抜群です。

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データベースの構築が鍵

このようにダイレクトマーケティングは顧客獲得のカスタマージャーニーをプロセス化して、各ステイタスを効果的効率的に向上させる極めて論理的な効果的な方法です。ただダイレクトマーケティングを成功させるために忘れてはならないことがひとつあります。それはデータベースの構築です。

各カンパニー(会社)情報とコンタクト(個人)の必要な情報を定義して、しっかりとデータベースに格納してメンテナンスをしていかないと効果を正しく測定したり、アプローチの方法を変えたりすることが正確にできません。MA(マーケティングオートメーション)などでいくら仕組みを作ってもデータベースがしっかりしていないとうまく機能せず、宝の持ち腐れになるので注意が必要です。

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