外的要因から問題点を発見するポイント(マーケティング戦略)

  • 外的要因から問題点を発見するポイントは、世の中の変化に気がつくこと
  • 外的要因の変化に気がついたら原因と影響を理解して、最適な対応をする

詳しくは以下のコラムで

測定フェーズで現状を正しく知る

継続的改善B2Bマーケティングはリーンシックスシグマの改善手法であるDMAICという考え方を使います。DMAIC手法とは経営の効率や品質向上を目指すプロセスイノベーションのための手法で、リーンシックスシグマの基本となるものです。

継続的改善B2Bマーケティングの測定フェーズ(Measure)では、現状を正しく認識して知ることによって問題点を洗い出します。

世の中は常に変化しています。企業が成長していくためは、企業をとりまく世の中のさまざまな変化に適切に対応していかなくてはなりません。そして変化に対応するためには、どんな変化に注意すべきかを知る必要があります。変化を理解することはマーケティング戦略を作る際にも必要です。

ここでは継続的改善B2Bマーケティングの測定フェーズ(現状認識)において、外的要因から問題点を発見するポイントについてお話をします。

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外的要因の現状を知る

まず外的要因とは何かということですが、外的要因とは企業の戦略や業績に大きな影響を与える外部からの要因で、企業自身でコントロールをする事が難しい部分です。外的要因から問題点を発見するために以下の2つの視点から変化に注目します。

  • 遠隔環境(方法:PEST)
  • 市場環境(方法:5フォース)

まず遠隔環境を見るためにPESTという方法を使います。PESTとは企業の外でおこっている外的要因の中で注意すべきポイントを頭文字で表したもので具体的には政治的(P=political)、経済的(E=economic)、社会的(S=social)、技術的(T=technological)の頭文字を取った造語です。ここにエコロジーや環境問題といったものも加わります。

そして市場環境を見るためには、5フォースという方法を使います。5フォースとは業界の収益をきめる競争の原因をである5つの力をまとめたもので、それを使うと理解しやすくなります。具体的には、競争業者の脅威、新規参入企業の脅威、代替品の脅威、売り手の交渉力、買い手の交渉力の5つです。

外的要因から問題点を発見するためにこれらの外的要因の2つの視点から変化に注目しますが、簡単に言えば、外的要因から問題点を発見するポイントは、世の中の変化に気がつくことです。そして変化に気がついたら原因と影響を理解して最適な対応をすることなのです。

では外的要因の2つの視点をひとつずつ見ていきましょう。

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PEST分析で会社をとりまく環境を知り、問題点を発見するポイント

まず遠隔環境をPESTで見ていきましょう。まずはP、政治的(P=political)な変化です。政治的に影響があるものとしては、、法規制強化や規制緩和や法律改正などがあります。法律の改正によって今までできていた販売形態ができなくなったり、新たな商圏が生まれたりすることもあります。また政権交代による人脈の変化や消費税や法人税といった税体系の変化によっても市場は大きな影響を受けます。

このように政治は企業の業績にも影響を及ぼしますが、企業側でのコントロールが難しいものです。だからこそ事前にできるだけはやく変化の波を予測し、それに対応するように企業側が経営資源や比較的コントールしやすい内的要因を柔軟に変更していく事が求められます。

次は、経済的(E=economic)な変化です。経済はビジネスの成長に大きな影響をあたえます。世界的な景気動向や物価の動向、為替の動向などがあります。そしてそれらの影響も受けながら各国のGDP(国内総生産:Gross Domestic Product、GDP)や鉱工業指数等が変化します。企業の研究開発費や設備投資費、求人などの人材動向にも注意が必要です。

これらの経済動向の指標やレポートはさまざまなものがありますが、何となくすべてを見ているのではなく、自社に影響のある指標を理解して問題意識をもって指標やレポートを観察します。業界の変化をできるだけ早く見つけて、今後の動向を予測して必要な対応を早めに打つことが必要です。例えば半導体関連の顧客が多いのであれば当然、半導体業界の世界的な動向や国内の動向が大きく影響するので、半導体関連業界の動向は特に注目すべきです。動向を天気図にした業界天気図も便利です。

そして社会的(S=social)な変化です。社会的に影響のあるものとしては、人口構成、社会的流行、価値観、ライフスタイル、文化、教育、女性の社会進出、デジタル依存、などであり、これらの社会に関わる様々な要因が企業の経営に大きな影響を及ぼします。例えば日本の人口は減少し高齢化もますます進んでいますが、この人口構成の変化はいろいろな側面で影響があります。どの顧客層をターゲットにするのかといった側面にも、どうやって労働力を確保するのかといった側面にも影響します。人々の価値観やライフスタイルの変化も影響を与えます。若者の車ばなれやカーシェアーといった変化は車業界に影響を与え業界自体が変化を迫られています。そうなれば車業界に関わる大小さまざまな企業が連鎖的に影響していきます。

このような社会の変化はじわりじわりと影響していきますし対策を打つことも簡単ではないので、先を読みながら対策を打つことが必要です。

PESTの最後は技術的(T=technological)な変化です。新技術や先端技術、インターネットやAIなどがビジネスを大きく変化させます。インターネットの登場で、スマートフォンが人々の行動を変えたり、シェアリングエコノミーといわれる持たないビジネスが現れたりしています。SaaS(Software as a Service)と呼ばれる企業はクラウドで提供されるソフトウェアを提供しサブスクリプション(定期間ごとに利用に対しての課金をするモデル)によって継続的に利益をあげています。IOTが世界中の情報をビックデータとして集めモノの流れを変えていきます。

このような新しいビジネスモデルが生まれて成長するということは、それを支えるために原料やインフラなどの新たな需要が創出されます。一方で新たな技術にとってかわられたものはあっという間になくなっていきます。かつて誰もが使っていたフロッピーディスクやレコードやカメラのフィルムなどもあっという間に新しい技術にとって代わられました。技術革新によって会社の存続を左右するほどの変化がおきるかもしれないので、敏感でいなければなりません。

さらにPEST分析の枠を超えた大きな影響を与えた出来事があります。それは新型コロナウィルスです。これは人々の考え方や働き方、そして生き方などにも大きな影響を会が得ました。

新型コロナウィルスは政治的にも、社会的にも、経済的にも、そしてテレワークが加速して技術的も大きな変化をもたらしました。PESTの枠組みに入らない外的要因です。私たちは今までに経験した過去の事例を参考にして注意しながら企業活動を行います。一方で今回の新型コロナのように今まで経験したこともない事にも対応していかなければなりません。このような時にこそ、冷静に定量的なデータを分析し定性情報を集めて最善な判断を素早く行っていく事が重要です。

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5フォース分析で競争の原因を知り、問題点を発見するポイント

ここからは市場環境を5フォースで見ていきましょう。

まず5つの力の1つ目はまずは競争業者の脅威です。5フォースの中でも競合はわかりやすいと思います。同業者が多く存在していたり、差別化がしにくかったり、成長がとまってしまった業界などは競合との敵対関係が強くなりやすいといわれます。競合会社の対策をとるには競合の売上や利益などの状況やマネジメント層の人事異動、マーケティング戦略などにアンテナをはって必要な対策を取ることが必要です。マーケティング戦略とは「誰に」、「何を」、「どうやって」価値を提供しているのかしようとしているのかを知ることです。つまり競合会社の大手顧客や新商品やサービス、顧客獲得育成維持の方法に大きな変化がないかを知るということです。

既存同業者との敵対が強くなると値引き合戦になり利益を損ないかねません。競合のサービスの変更や動向を注意しながら、差別化や集中化で競合に打ち勝つ戦略が必要です。

5フォースの2つ目は新規参入企業の脅威です。特に参入を妨げる障害があまりない業界、いわゆる参入障壁の低い業界は特に注意が必要です。なぜならば新規のビジネスの立ち上げに時間がかからないので、気がついた時にはシャアをとられていたなどという事にもなりかねないからです。競合と争っていたら新規の参入業者に売上を取られたということにもなりかねません。

ですので参入障壁が低い場合には、参入を許す前に新規の参入をできるだけ難しくしておく、つまり参入障壁を自ら高めておくことも必要です。具体的には自社の優位性(スケールメリットによる価格競争力や技術力、ブランド力など)を高めたり、特許を取得したりして、新規参入者が真似のできないような対策をとるなどです。

また比較的参入障壁が高いと思っていても、業界が異なる資金力のある企業が突然参入してくる場合もあるので注意が必要です。

5フォースの3つ目は代替品の脅威です。代替品とは商品やサービスの替わりになってしまう商品・サービスが登場することです。自社と同じ、もしくは低価格や高品質の優れた代替品が現れれば収益はどんどん下降していきます。

そしてかならずしも同じ商品ではないものが代替えになることもあります。例えばスマートフォンは、電話や電卓や地図や手帳や音楽プレイヤーなど様々なものの代替品となってシェアを奪っています。電子書籍などの普及で紙の書籍を販売する店舗や印刷会社も脅威にさらされました。車業界も車を購入せずにリースしたりカーシェアリングしたりするといった代わりの方法が出てくることによって販売台数の低下がおきています。この脅威に対抗するためには代替品がでてきても対抗できるように自社の商品やサービスの内容や品質を高めてつねに高めて代替品にとってかわらなないようにしていく必要があります。

5フォースの4つ目と5つ目は交渉力に関してです。まずは売り手、つまり商品を作る際に必要な原材料などの供給業者(サプライヤー)のことですが、供給業者が大きな交渉力を持つと、高い仕入価格の設定などによって取引価格がを引き上げられたたり不利な取引条件につながるかもしれません。例えば半導体大手のインテルのCPUは市場で大きなシェアを占めていましたが、パソコンを作るにはCPUは欠かせないためインテルの交渉力は強くなりました。相対的にサプライヤーが大きな交渉力を持つと、不利な取引条件になる脅威があるので注意が必要です。ひとつの供給業社に頼り切っていると危険が高まります。

最後の5つ目は買い手の交渉力です。買い手とは自社の商品やサービスを買ってくれる顧客です。買い手の交渉力が強くなると、量を買う事によって価格の引き下げを要求してきたり、希望価格より安く売ることになったり利益が少なくなる脅威があります。例えばヤマト運輸などの大手の宅配業者では、通販業界の最大手であるアマゾンから厳しい価格の要求をつきつけられます。それもで取引量が非常に多いので簡単には断れなかったのです。

売り手と買い手には、需要と供給のバランスがあります。なんでもかんれも買う側の顧客の要求をきいていてはビジネスが立ち行かなる危険があります。公平な取りに気をするために必要な場合にはたとえ顧客であってもしっかりと交渉をすることがとても大切です。

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発見のポイントは、つまり世の中の変化に気がつくこと

ここまで続的改善B2Bマーケティングの測定フェーズ(現状認識)において、外的要因から問題点を発見するポイントを、遠隔環はPESTという方法で、市場環境は5フォースという方法で見てきました。

遠隔環境はマクロ環境ともいい、市場環境はミクロ環境ともいいます。マクロ環境が森全体を見ているようなイメージなら、ミクロ環境は森の中の木を1本1本みていくようなイメージでしょうか。

外的要因はコントロールしにくいので変化に敏感でいることが大切です。そして変化に気がついたら原因と影響を理解して、最適な対応をするのです。

天気と同じようなもので、雨の日も晴れの日もあります。寒い雨の日には雨が降るのはどうすることもできませんが、傘を準備してできるだけ濡れないように我慢をしたりすることはできます。気持ちの良い晴れの日がいつくるかを予想するのは難しいですが、晴れた日には何をするかを考えておいて、晴れが来たら上着を脱いで思い切り活動したりすることはできます。

天気は変えられませんが上手に対応することはできます。周りの様子を見て最適な対応をするこがビジネスでも大切です。

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