【B2Bマーケティングの学校】STP-セグメンテーション・ターゲッティング・ポジショニング

セグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニング

 

ここでは、STPで顧客を絞りこむ際の、セグメンテーション・ターゲッティング・ポジショニングについて解説します。

手順はこうでした。

  • Step1 市場規模の把握:あなたの会社が存在する市場と大きさを知る
  • Step2 市場の分析:どのような切り口で分類できるかを見る
  • Step3 セグメンテーション:どう切り分けるかきめる (分ける切り口をきめる)
  • Step4 ターゲッティング:セグメント(部分)を選ぶ(どこで勝負するか決める)
  • Step5 ポジショニング:どう競合と差別化して価値をだすかきめる

このStep3 セグメンテーション、Step4 ターゲッティング、Step4 ポジショニングについて詳しく考えていきます。

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セグメンテーションはB2Bに特化した切り口で市場を切る

まずセグメンテーションをおこなうにあたり注意点があります。

セグメンテーションは以下の要件を満たしている事が必要です。

  • 測定可能 – セグメントの市場規模や範囲が測定できること
  • 実質的 – セグメントに分ける事に価値があること
  • アプローチ可能 – そのセグメントにピンポイントでアプローチできなければ意味なし
  • 差別化が可能 – セグメントに違いが見出せなければ分けなくても同じ
  • 実行可能 – 例えば費用やリソース、時間等から判断して実行可能か?
  • ビジネスとなる市場規模があること – 可能性のないものをいくら細かくしても全く意味なし

最終的にセグメントをきめる基準は、市場自体に本質的な魅力があること、そしてあなたの会社の経営的な強みを発揮できることです。

それができなければ切り分ける意味がありません。

さて実際のセグメンテーションをやっていきましょう。

忘れてならないのはB2Bの市場はB2Cとは違って、会社と会社の中にいる個人が顧客だということです。

そのために切り口としてファーモグラフィックデータという会社にかかわる属性データを使うことが多いです。

  • 業種(SICコード:産業コード)
  • 売上や利益
  • 従業員数(規模)
  • 役職
  • 職種

といったデータです。

ここでは、業種と職種を切り口として考えていきます。

まず業種の切り口としては、グローバル企業においてはSICコードという分類コードを使います。

SIC Code(Standard Industrial Classification Code)とは、4桁の数字で表されるコードで、様々な業界をその機能と製品とによって定義するためにアメリカにより定められたものです。

大分類、中分類、小分類がありますが、小分類で約1,000もの項目にわかれます。

次に職種の切り口です。

職種について考える際に注意すべきは3つのポイントです。

●ポイント1ーB2Bは法人が顧客、法人は複雑であること

B2B顧客データ

●ポイント2ーB2Bでは購入に複数の人がかかわること

購買プロセス

●ポイント3ープロダクトライフサイクルによってかかわる人が違うこと

プロダクトライフサイクル

この3つのポイントをおさえて職種の切り口を考えましょう。

あなたの会社の商品やサービスが生み出す価値を理解してくれそうな会社や個人がどういったところにいるか、どういったシーンで利用されるのか、その会社や個人をあぶりだしアプローチできるようにするためにはどういった切り口がよいのかを考えます。

では実際の例です。

まず業種は全体をいれると大きすぎるので、すでに製造業を選び、その製造業の中を5つの切り口で分けました。

職種もプロダクトライフサイクル、生産工程のポイントから5つの切り口でわけました。

そうすると以下のような5×5、計25に分類されます。

細分化した市場からターゲットを選ぶ

市場を切り分ける、セグメンテーションができたら戦うセグメント(部分)を選びます。

この例では、商品やサービスを作る初期段階の研究開発の部分を狙いたいと思います。(ブルーの円の部分)

それを前提にして、先ほど切った5×5、計25の中から4セグメント(部分)を選びました。

以下のようになります。

ポジショニング

このように切り分けた市場から戦う市場をえらぶことをターゲッティングといいます。

選んだターゲット市場にいる会社と個人を想像してみましょう。

ターゲット市場のB2Bのペルソナには、どんな悩みやニーズがあるのか、どんな価値を提供することができるのかを考えます。

あなたの会社の商品やサービスが生み出す価値を理解してくれそうな会社や個人がどういったところにいるか、どういった会社が関連しているのか、どういったシーンで利用されるかを考えます。

競合と差別化するための位置をきめる

これでターゲット市場を選び、戦う市場を決めました。

しかし戦う市場を絞り込んでもまだ十分ではありません。

選んだ市場にも、ほとんどの場合は競合会社がいるはずです。

競合会社と差別化をして、顧客となる会社と個人が、あなたの会社の商品やサービスを選ばなければならないようになるポイントを作っていきます。

マーケティングミックスによって作り出される価値の組合せであり、バリュープロポジション(Value Proposition)といったりします。

このターゲット市場のなかでの、会社の立ち位置をきめる作業をポジショニングといいます。

例えば以下の例ではターゲット市場を価格×機能性のマトリクスで表しました。

この図でどのようにあなたの会社がどのようなポジションにするかポジショニングを考えてみましょう。

この市場の中で、あなたの会社はどの位置で戦うのかをきめるのです。

この市場には主に3社がすでに存在して、それぞれの位置があります。

そしての今はあなたの会社は左下の位置です。

低価格の低機能の商品やサービスを提供しており安くて手ごろ商品ですが、利益はあまりでていないかもしれません。

例えば、あなたの会社は今の左下の位置から、もっと高機能で付加価値のある商品やサービスを開発して価格をB社並みに抑える位置へいくと決めます。

それが将来のあなたの会社があるべき位置、ポジションです。

この位置に行くために経営資源を使ってマーケティングミックスをつくり顧客に価値を提供します。

ターゲット顧客は電子機械器具をつくっている会社の中の、研究開発、購買の人です。

その人たちの悩みを解決する、ニーズを満たす他社にはない価値を提供することで選んだターゲット市場で圧倒的な優位に立つことが、セグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニングの目的です。

 

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