改善案の考え方―プロセス改善とプロセス再設計
- 改善案の考え方とは、改善(最適化)の発想の視点だ
- それにより根本原因を取り除く改善案をつくり実行する
詳しくは以下のコラムで
改善案の考え方
フィッシュボーン分析で問題点の根本原因と取り出し、SWOTとクロスSWOT分析で戦略課題を取り出し、それらをインパクトエフォートマトリックスで優先順位付けを行いました。
根本原因と戦略課題がでたところで改善案をつくります。基本的には問題点や戦略課題の根本原因を取り除くことで解決するのですが、根本原因を取り除くだけでは不十分で最適な改善案を作れないこともあります。
そこで強制的に改善案を発想する方法について話したいと思います。強制発想法による改善(最適化)のアイデアを創出するフレームワークの手順は以下です。
1.改善したいこと(問題点や戦略課題)を取り上げる
2. 問題点や戦略課題の根本原因を取り除く方法を考える(それで解決すれば実行して終わり)
3.発想の視点に応じてアイデアをだす(発想の視点は後述)
4.アイデアを効果と実現するための工数をから評価する
5.アイデアを問題の改善案に具体的に適用する
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発想の視点
改善案(最適化)の発想の視点としては大きく2つを取り上げます。
- プロセスの改善
- プロセスの再設計
プロセスとは手順です。仕事の流れということもできます。プロセス改善とは、誤りや欠陥やミスをなおして、より良い状態にすることです。一方でプロセスの再設計は誤りや欠陥やミスをなおすというよりも、全体の仕事の流れを変えるということです。
発想の視点 - プロセスの改善(改善の8原則)
まずプロセス改善の発想の視点ですが、発想する方法として改善の8原則というものがあります。
- 廃止
- この仕事をやめたら何が困るか?
- 削減
- 頻度等を削る、減らす、部分的に辞めることはできないか?
- 容易化
- 仕事を無理に難しくしていないか?もっと早く、簡単にシンプルにできないか?
- 標準化
- 人による異なるやり方を統一できないか?この仕事は誰にでもすぐにできるか?
- 計画化
- 事前に確定していることは事前に決めて段取り良く計画的にできないか?
- 分担検討
- 分担を変えることで効率的に仕事ができないか?(1人に集中や複数に分散)
- 同期化
- 仕事のピークオフをならすことができないか?タイミングを合わせて手待ち調整時間をなくせないか?
- 機械化
- マニュアル作業を減らせないか?システムで自動化できないか?
これらの改善の8原則をアイデア発想の視点として改善案を考えることができます。
発想の視点 - プロセス再設計(BPRの7つのパターン)
次にプロセス再設計の視点ですが、発想するBPRの7つのパターンというものがあります。
BPRとはとは「ビジネスプロセス・リエンジニアリング」(Business Process Re-engineering)の略で、企業の目標(売上や利益など)を達成するために、既存の業務内容や業務フロー、組織構造、ビジネスルール等を全面的に見直して、再設計(リエンジニアリング)することをいいます。
パターン①圧縮・削除
- 各作業のムダを省き、作業密度を圧縮し、サイクルタイム(工程における作業時間)を短縮する
- 付加価値を与えない作業(NVA:Non Value added Activity)は削除する
パターン②反復削減
- 類似・同一内容の作業の反復回数を少なくする
- 後戻り作業も排除する。
パターン③モード切替え
- これまでと別な実行手段(IT化など)を使い、作業モードを切換えて実行する
- 作業モードの切り換えを細かく行う
パターン④知識のフロントローディング
- 作業に共通に使う知識をあらかじめ収集し、実行作業に備える(前段階)
- 知識収集を事前に集中することにより、サイクル数(工程数)の短縮も可能になる
パターン⑤活動のフロントローディング
- 各サイクル(工程)の共通作業を1つにまとめる
- 異なる作業を別のサイクルで、共通作業の前あるいは後に行う
パターン⑥分割
- 作業間の相互依存性を断ち(デカップル化)
- それぞれの作業の流れを分割し、完全並列化(コンカレント化)する
パターン⑦オーバーラップ
- 作業間の一部の相互依存性を断ち
- 作業の一部を並列化する
改善案をまとめる
プロセスの改善やプロセスの再設計の発想の視点で検討したら大枠の改善案をまとめます。改善案は今までの仕事の仕方やプロセスにこだわる必要はありませんが、問題点や戦略課題の根本原因を取り除くことができなければなりません。分析フェーズで発見した根本原因を取り除くことのできない改善案では意味がありません。
また詳細の実行プランはインプットを統合してマーケティング戦略を再設計した後に、プロジェクトチームを組んで検討していく事になります。
教育して自発的に考え行動できる人材を増やす
改善の考え方はシンプルです。
- 問題点を発見する
- 根本原因をつきとめる
- プロセスの改善や再設計の発想の視点から改善案を作る
こういった方法を理解して行動できる人が多ければ多いほど、自発的に改善が行われていく継続的改善の組織ができていきます。そのためにも改善の方法を教育することで、改善の方法を正しく理解し実行できる人を増やしていくことが重要になります。
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