戦略から戦術へ(Strategy to Tactics)

- 戦略から戦術へとは、戦略を具体化して実行プランへ落とし込み展開落することです
- それにより、戦略をアクティビティなどの具体的な戦術の形にしてあるべき姿へと進むことができます
詳しくは以下のコラムで
マーケティング戦略作成から実行への流れ
継続的に成長する企業にはしっかりとした幹があります。しっかりした会社の方針があるのです。
- あるべき姿(ビジョン)
- そこにいく行く理由(ミッション)
- そこに行く方法(ストラテジー)
あるべき姿は、ビジョンです。どんな企業になりたいのかということです。そこに行く理由は、ミッションです。企業の存在意義であり、果たすべき使命です。企業が何のために存在しているかという事であり行動の基本になります。そして、どうやってあるべき姿に行くのかという方法がマーケティング戦略です。
マーケティング戦略とは、簡単にいうと「誰に」「何を」「どうやって」提供して対価をえるかという方法です。
「誰に」はターゲットを明確にして絞り込むこと、「何を」はモノではなく独自の価値をつくること、「どうやって」は顧客に売り込むのではなく、顧客を引き寄せることです。
今の「誰に」「何を」「どうやって」(As Is)をあるべき姿の「誰に」「何を」「どうやって」(To Be)に作りかえる方法がマーケティング戦略です。今と将来のギャップ(差)を埋めるための方法を実行するのです。
最適な「誰に」「何を」「どうやって」を実行することで、将来のあるべき姿に向かうことができます。それが戦略なのです。

あるべき「誰に」「何を」「どうやって」を決めたら戦略書として文書化します。
そして戦略実行するために戦略プロジェクトを立ち上げます。戦略プロジェクトは、あるべき姿、「誰に」「何を」「どうやって」を実行するための大きな塊です。
戦略プロジェクトを決めたら、さらに具体的に戦術に落とし込みます。つまり戦略プロジェクトを構成する活動内容を決めて展開します。キャンペーンなどのアクティビティです。
流れを図にまとめると次のようになります。

- ビジョン(あるべき姿)を決める
- 戦略を立てる
- ビジョン(あるべき姿)の「誰に」「何を」「どうやって」とそこへ行く方法を決める
- マーケティング戦略書に文書化する
- 戦略プロジェクトを決める
- 戦略から戦術に落とし込む
- 具体的なキャンペーンなどのアクティビティへ展開
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マーケティング戦略書
継続的改善マーケティング戦略の手順に従って作った戦略の骨子が決まってきたらマーケティング戦略書としてまとめましょう。マーケティング戦略書は、その名の通りマーケティング戦略を簡潔にまとめた書類です。
ここまでの一連のプロセスを経てつくり上げた戦略を経営陣からミドルマネジメントまでに正しく確実に理解してもらう、そして自分の会社の戦略として腹におちるまで理解を深める為の書類です。
確実に理解してもらう為には、必要以上に情報を詰め込まず詳細レベルはできるだけ省き、マネジメント層が知るべき内容に絞り要点をシンプルに表現するようにします。
大枠の目次は以下のようになります。
- ミッション・ビジョン・目標
- 現状認識 - SBUミックス
- 現状認識 - 外的要因
- 現状認識 - 内的要因
- 売上を分解する
- 誰に(顧客)
- 何を(マーケティングミックス)
- どうやって(顧客獲得・顧客育成・顧客維持のプロセス)
- 問題点と根本原因
- 戦略課題
- 優先順位づけ
- 大きな視点からの考察
- 新しいアイデアからの考察
- インプット統合・プラン再設計
- 誰に(顧客)
- 何を(マーケティングミックス)
- どうやって(ジャーニー/ストーリー/エクスペリエンス)
- 戦略の方向性と打ち手
- 戦略プロジェクト
- 継続的改善
- エグゼクティブサマリー
ビジョン(あるべき姿)→現状認識→根本原因・戦略課題→プラン再設計→実行→継続的改善という流れで文章をまとめていきます。
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戦略プロジェクトに落とし込む
前述しましたが、今の「誰に」「何を」「どうやって」(As Is)をあるべき姿を実現することのできる将来の「誰に」「何を」「どうやって」(To Be)に作り替える方法がマーケティング戦略です。
マーケティング戦略書の中の以下の部分になります。
10.インプット統合・プラン再設計
11.誰に(顧客)
12.何を(マーケティングミックス)
13.どうやって(ジャーニー/ストーリー/エクスペリエンス)
プランをベースにプランをさらに具体的にするために方向性と打ち手を示し、戦略プロジェクトを抽出します。
14.戦略の方向性と打ち手
の部分です。
例えばマーケティンング戦略によって進む方向性と実行プランである打ち手を視覚的にイメージするために、2×2のマトリクスを活用して自社のポジショニングを示して方向性を示す方法があります。

自社の独自性を表すことのできる縦軸と横軸を決めて、その中での自社のポジショニングを明確化させることによって、今いる場所からあるべき姿に行く方向性をイメージさせることができます。その上で、それを実現する為の大きな打ち手を示めします。
こうすることでマーケティング戦略と大きな打ち手をわかりやすくイメージさせることができます。それぞれの打ち手の中にいくつかの戦略プロジェクトが存在するようなイメージです。
進む方向性と打ち手を示す方法について詳しくは以下のコラムをご参照ください。
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戦略プロジェクトをロードマップにのせる
次に具体的な戦略プロジェクトの時間軸を決めていきましょう。以下は3年間の戦略ロードマップの例です。
ロードマップの上部には売上と利益の3年間の目標があります。そしてその下に各戦略プロジェクトのコアとなる活動を記載します。縦軸が各戦略プロジェクト、横軸が3年の時間軸です。
詳細は各プロジェクトで決めるので、ここではそれぞれの戦略プロジェクトのコアとなる活動の時間軸を大枠で入れ込んでいきましょう。こうすることで各戦略プロジェクトがどのようなタイミングで実行され関わっていくのかをイメージしやすくなります。
具体的に戦略プロジェクトを決めたら、さらに具体的に戦略プロジェクトを構成する活動内容を決めていきます。キャンペーンなどのアクティビティです。

このように方向性と打ち手を決め、戦略プロジェクトから具体的なアクションを戦略ロードマップ落とし込みということは、戦略プロジェクトを具体的な戦術的なアクティビティに落とし込んでいくということでもあります。
多くのアクティビティ、戦術はバラバラに動いているのではなく、ひとつの大きな戦略プロジェクト、さらには打ち手と方向性に向かって連動している必要があるのです。この全体をコントロールしてマネジメントをしていくことで継続的改善マーケティングが効果を発揮してきます。
戦略とは戦いに勝つために経営資源を総合的・効果的に運用する方法であり、中長期的な視点で作り上げる方向性と計画であり打ち手です。これに対して戦術は戦略にそって組織がいかに実行していくかです。
方向性と打ち手を明確にして戦略プロジェクトに落とし込み、さらに具体的なアクションへと展開し、その全体とマネジメントしていく必要があるのです。

プロジェクトチャーターを作成してさらに詳細なアクティビティの落とし込む

戦略プロジェクトの内容を具体し明確化するためには、それぞれの戦略プロジェクトごとにプロジェクトチャーター(プロジェクト計画書)を作成しましょう。
それによってプロジェクトの目的や、範囲、ビジネスケースなどが具体化され明確になっていきます。
プロジェクトチャーターをベースにして、さらに具体的なアクティビティ、アクションプランをつくって実際に実行していきます。
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