ブレインストーミング、ライティングで、新しいアイデアを引き出す
- ブレインストーミング、ブレインライティングとは、人の力も借りてアイデアを生み出す方法です
- それにより楽しみながら、1人では考え付かなかった斬新なアイデアを強制的に引き出すことができます
詳しくは以下のコラムで
新しアイデアを生む
現状認識から問題点を発見して、その根本原因から改善案を作ることはとても役に立ちます。ただ今の状態を基本にして考えるために、多くの場合は過去からの発想になってしまうのが弱点です。
そこで今まで、つまり過去からの発想ではないアイデアを生む必要もでてきます。皆で智慧を絞ることで今までには考えつかなかったような素晴らしいアイデアがでてくるかもしれません。
新しいアイデアを生み出すためには、一生懸命うーんうーんと考えてもなかなか難しかもしれません。そこで強制的にアイデアを発想する方法を使います。強制発想法には以下のような方法があります。
- オズボーンのチェックリスト
- 2×2マトリックス法
- マンダラート発想法
- ブレインストーミング、ブレインライティング
ここでは、ブレインストーミング、ブレインライティングについてお話ししたいと思います。
ブレインストーミングとは
ブレインストーミングは、もっとも有名な強制発想法といえるかもしれません。略してブレスト、多くの方がブレストした経験があるかと思います。ブレインストーミングは、オズボーンのチェックリストのオズボーンさんが考案したもので、直訳すると脳の嵐ですね。1人ではなくグループでアイデアをより多く出しあうことによって、よりアイデアが生まれやすくなります。脳をまるで嵐のように猛烈に動かすということから、その名前がついています。
先入観や固定観念を捨てて、活発なコミュニケーションを行い、多様多様で意外なアイデアをできるだけ多く引き出せるのがブレインストーミングのメリットです。しかしブレインストーミングもやり方を間違うと期待通りの効果が出ません。ブレインストーミング、ブレストということばが有名なので、知っているという人は多いのですが、やり方をしっかり理解している人は結構少ないかもしれません。
この機会にブレインストーミングの基本のルールを再確認しましょう。
ブレインストーミング6つの基本ルール
ブレインストーミングを効果的に行うには、ルールを守って行わなければなりません。
- 批判禁止
もっとも重要なルールは、他の人の意見に対して批判をしてはいけないということです。アイデアを発言した後に、「それって今もやっているんじゃないの」とか「そんなことは不不可能でしょ」とか言われると、「もう言いたくないや」と思ってしまいますよね。アイデアをできるだけ多く出すことが大切なのですが、これでは発言意欲が失われてしまいます。前向きな雰囲気で否定をせずに、どんどんアイデアを出しましょう。ブレインストーミングでは批判や否定は厳禁です。
- 制限しない
自由なアイデアをどんどん出すために、ブレインストーミングでは発言に制限や条件を設けません。奇抜なアイデアであっても批判をせずに聞くようにします。一見そんなことはあり得ないとか、不可能と思われるアイデアでも、それをブラッシュアップすることで今まで誰も考えつかなかったアイデアになる可能性もあります。様々な立場や経験や考えの人が集まって多様な意見を出しあうことで化学反応がおきるかもしれませんので、話す前から「こういうことは言ってはダメ」というように、制限や条件を設けてはいけません。
- 量をだす
切り口の異なるたくさんの視点を出すためには、できるだけ多くの意見を出すということが大切です。意見の量が多ければ多いほど、意見と意見を組合せることのできる数も多くなり、たくさんの発想やアイデアを得ることができます。仕事中は周りのことや、こんなこといったら怒られるのではと思うこともあるかもしれませんが、ブレインストーミングは質より量を重視して意見をどんどんだしましょう。
- お互いのアイデアを重ねる
誰かの発言を批判したり否定をしたりしてはいけませんが、付け加えるのはOKです。そうすることで発想がひろがりますし、アイデアが研ぎ澄まされるかもしれません。例えばAさんが自分の経験から発言したアイデアは、経験ないBさんには思いつけなかったかもしれません。でもBさんにAさんにはない経験や知識があれば、Aさんの意見にBさんがつけ足したり加工したりすることで、誰にも思いつけない斬新なアイデアに変化するかもしれないのです。「いいね、どうしたらもっと良くなるだろう」というGood&Moreの精神でつけ足しましょう。
- 結論禁止
脳を回転させて意見を出しているときに、結論を求めてはいけません。「それってこういうことだよね」と意見をまとめようとしたり、「つまりこれだ」というように結論を求めようとしたりしてはいけません。決定事項を求める単なる会議ではありませんので、発想のひろがりを妨げることは行わないのがルールです。ブレストしてしらけてしまうようなことがないようにしましょう。
- 楽しむ
最後はずばり「楽しむこと」です。重苦しい雰囲気や、堅苦しい雰囲気、緊張感満載、嫌々やっても良いアイデアが生まれるわけがありません。脳の活性化を図るためにも、リラックスしたムードでブレインストーミングを楽しみながらやることが大切です。緊張感を生むような人には参加を控えてもらいましょう。
ブレインストームの進め方
基本のルールを確認したら、ブレインストーミングを行います。
- 事前の準備
段取り八分といわれますが、ブレインストーミングを成功させるには準備が大切です。ブレインストーミングのテーマと目的、メンバーと時間を決めましょう。そしてブレインストーミングを行うことによって期待するアウトプットをイメージしておきましょう。
ブレインストーミングを活発に楽しく行うには、メンバー選びは重要です。いろいろな切り口の発言が出るように、世代や部署や性別、社内の人や社外の人、良く話す人とそうでない人、明るい人と静かな人などバライティ豊かな人をメンバーに選ぶことで、多種多様な意見が出やすくなります。
- スタート
まず進行役(主催者)がテーマと目的、時間とブレインストーミングのルールを簡潔に説明します。いざブレインストーミングをはじめる際には、「さあ、アイデアをどうぞ!!」と言っても始めにくいかもしれませんので、進行役が自分の意見やアイデアなどの取っ掛かりを作ることで、メンバーが話しやすくなるでしょう。
- 記録する
出てきたアイデアはリアルタイムで記録しましょう。記録がないとブレインストーミングをした意味がなくなってしまいます。後で思い出そうとしてもまず思い出せませんのでご注意を。記録係を決めて紙にどんどん書いていくのも良いですし、発言した人が自分でポストイットに書いていくのも良いでしょう。ポストイットに書き出していく方法は、後でアイデアを整理するのに便利です。ただ急ぐあまり後で「読めない」「意味が分からない」ということがないように、メンバーにはきれいに書いてもらいます。
■関連コラム
- アイデアが出なくなってきたら
出なくなってきたら、基本のルールの「お互いのアイデアを重ねる」を試しましょう。今まで出たアイデアをメンバーに見せて、つけ足したり加工したりひねったりしてアイデアをだしてもらいましょう。またアイデアが出にくくなった場合を想定した投げかけや質問を事前に準備しておくのも良いです。
- まとめる
ブレインストーミングが終わったら内容をまとめます。ブレインストーミングをやっての気づきや、良いアイデア、ポイントなどをメモしておきましょう。後でまとめようと思って放っておくと、いざまとめようと思った時には、その時の雰囲気や臨場感がなくなっており、思ったことがどこかにいってしまします。人間はすぐにわすれるので、ブレインストーミングを終えたらできるだけすぐにアウトプットを出しましょう。
ブレインライティング
ブレインストーミングは発言することによってアイデアを出していくものですが、それを紙に書いていくことによって行うブレインライティングという方法がありますので紹介します。
ブレインライティングはフォーマットを使って数名で行います。例えば以下のフォーマットを使って、4名でブレインライティングをやるとします。まず4人がそれぞれに1枚の新しいフォーマットをもって1つ目のアイデアを以下のように1行目に書きます。これが1巡目ですが4人で4個のアイデアができますので、1巡目では4×4で、計16個のアイデアがでることになります。1巡目が終わったら次にそれぞれのフォーマットを次の人に渡します。
次の人は、受け取った前の人が書いたアイデアから思いつくアイデアを書きます。アイデアにつけ足してもいいかもしれませんし、ひねってもいいかもしれません。2巡目が終わると以下のようになります。
このように回覧板のように全員分回してアイデアをひろげます。4巡回って自分に戻ってきたときには4人それぞれが16個のアイデアが入ったシートを持っている状態になり、16×4=64のアイデアができます。
ブレインライティングは記録もしっかり残りますし、1巡を5分で行えば20分で64個のアイデアをだせることになります。前の人のアイデアにつけ足して書くことによって、ブレインストーミングとは少し異なるアイデアが生まれるかもしれません。
ブレインライティングのテンプレート
ブレインストーミングやブレインライティングは、基本のルールを守って正しく進めればたくさんのアイデアを生み出すことができます。お菓子や飲み物を用意してチームで楽しく行えば、チームビルディングにも使えます。
以下に、ブレインライティングのテンプレートを用意しましたので使ってみてください。テーマの部分にブレインライティングしたいテーマを書いて、人数分を印刷して使います。
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