購買プロセス分析から顧客の購入方法を知る

  • 購買プロセス分析とは、顧客の購買の流れと関係者(構成員)の特徴を知ることです
  • それにより、購買の流れと関係者の特徴を掴んだサクセスストーリーを作り、最適な人にアプローチすることができます

詳しくは以下のコラムで

企業の組織はどのように構成されているか知っていますか?

B2BとB2Cでは、購入する際に関わる人やプロセスがことなります。B2Bでは個人の目的ではなく組織の目的が優先され、購入の意思決定にかかわる人数が多くなり購買プロセスが複雑になるのです。

そのためB2Bの購買プロセスを考える際には、個人だけではなく企業内の個人がどのようにつながっているかを考えなくてはなりません。組織の構成を考えて誰がキーマンなのかを考える必要があります。

例えば、下の図はある会社の組織の構成です。Aという企業には本社はAがあり、Bという営業所とCという事務所とDという工場がそれぞれあって、その中で様々な役割の人が働いています。

このように企業内の個人がどのように集まって企業体を構成しているのかを理解し、それぞれがどういった役割でかかわりあっているのかを確かめ、キーマンに対して適切なアプローチを行うことがB2Bでは重要になってきます。

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プロダクトライフサイクルと関わる構成要員

様々な役割の人がそれぞれの目標や悩みをもって働いているのが企業です。どのような人がどんなタイミングで購買プロセスに関わってくるのかを理解することが顧客を知ることにもなります。 例えば商品やサービスには必ずライフサイクル(商品が生まれてから消えるまで)が存在します。下の図はある商品のプロダクトライフサイクルで左から右へと時間が過ぎるにつれて商品が生まれてから消えるまでの生産量とそれぞれのタイミングで絡む人を示しています。

この例でのプロダクトライフサイクルのフェーズと関わる構成要因はいかのようになります。

  • 研究開発フェーズ

まず商品が生まれる際には、研究開発が行われます。そこには様々な研究や開発を行うエンジニアが存在します。研究開発を行うためには、必要な材料を調達し実験を繰り返します。研究に使う材料は多くの量は必要とはしませんが調達スピードは重要で、新しい材料や多品種にわたると想像できます。

  • 設計フェーズ

ここには設計者が存在します。研究開発の結果、実際に商品化を行うために試作モデルとつくります。研究開発フェーズよりは量が多いですが、本格的な生産は開始されていませんので限定的です。

  • 生産前段階フェーズ

研究開発がおわり施策モデルを作って商品化が決まったら、生産するための生産ライン・工程をつくります。ここでは品質の良い商品を生産するための生産技術者やFA(ファクトリーオートメーション)の設計者や金型設計やなどの人々が存在します。もちろん作る商品によって関係者も変ってきます。

  • 生産フェーズ

商品が売れ始めると順調にいけば生産量がどんどん増えて量産体制にはいります。ここでは製造系の人々、生産ラインを動かし管理したり、材料を調達する購買系の人々が関わりあいます。調達に関しては量が増えていくのでコストに対しての要求が強くなります。購買系の人が集中購買を行い全社の発注を一手に引き受ける会社もありますし、そこまでコントロールが強くない会社もあります。

  • 保守メンテフェーズ

商品の出荷量がへるにつれて交換や修理にによるメンテナンスへと軸足が移ってきます。このフェーズでは保全系やメンテナンスの人の役割が大きくなります。

このように一つの商品のプロダクトライフサイクルにおいても、様々な人々が関わってきますので、どの人に対してどのタイミングでどのような価値提案をするのが効果的かをよく考えることが大切です。

B2Bの購買プロセスの3つの段階と4つのタイプの構成員

プロダクトライフサイクルにの中で様々な人がお分かりになったと思います。次に商品を買うと決定するまでの流れ、つまり購買プロセスは実際どのように進むのかを考えてみましょう。以下は購買プロセスのモデルです。

何かを買うという行動に至るまでは、大きく3つの段階に分かれます。

まず「起案・情報収集」、そして「提案の評価と選定」、さらに「契約と導入」です。そして購買プロセスの中に登場する構成員は4つのタイプが存在します。

  • 使用者 - 実際に商品を使用する人(エンドユーザー)
  • 選定者 - 問題を理解し情報収集し要件を定義して商品選定を行う人
  • 購入者 - 選定された商品をどこから買うのかが一番良いかを検討し、調達する人
  • 決定者 - 予算の決裁権限を持った人、経営者

この4つのタイプはそれぞれに見るポイントが違うので、誰に対してどんな価値を提供するのかを良く考えて提案をする必要があります。

最初から決裁権限のある決定者に話ができれば話は早いと思いますが、決定者にあう機会ははじめからなかなか得られませんし、決定者も購入責任者や選定責任者の意見を聞くことになります。また実際の使用者の評判が悪ければ、再発注はないかもしれません。

それぞれにそれぞれの役割と権限があるので、それぞれに対しての適切なケアが必要です。とはいえすべての人と話すわけにはいきませんので、キーマンを見極めて効果的効率的にアプローチする必要があります。

構成員の特徴を理解する

このように購買プロセスに登場するそれぞれの構成員は、購買プロセスへのかかわり方や見るポイントなどの特徴が異なります。そこを理解してターゲットとなるキーマンの顧客像(ペルソナ)を特定しますが、そのためには顧客はどんな人かを具体的にイメージして以下のような項目(パラメーター)をデータとして収集します。

必要な情報を収集してB2B顧客データベースに格納して、適切な項目で抽出することによって、適切なタイミングで適切なキーマンにアプローチすることが出来るわけです。

繰り返しになりますが、B2Bの場合には組織の目的が優先され、様々な人が購買の意思決定にかかわるので、購買プロセスのなかの登場人物の中のキーマンのペルソナ像を特定することが大切です。

■関連コラム

購買プロセスと構成要員を知りサクセスストーリーを作る

購買プロセスを理解することは、顧客サクセスストーリー作成手順、「①顧客を理解する」うえでの大切なことの一つです。

購買プロセスを理解し、そこに関わる構成員の目標や悩みを理解し、適切なキーマンに、タイミングよく価値提案をすることで最大効果最大効率の攻めの営業活動ができるようになります。

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