メールマーケティングの基本
- メールマーケティングとは、メールの特性を利用したコミュニケーションの方法です
- メールマーケティグを実行することで、見込み客を教育して購入へと導くことができます
詳しくは以下のコラムで
メールの特性
メールマーケティングとは、カスタマージャーニーを加速するためにメールという方法を使ったマーケティングコミュニケーションの手法です。メールを使ってアプローチするわけですから、対象はコンテンツによって引き寄せる活動などによって既にメールアドレス保管している人になります。
以下のカスタマージャーニーの図でいうと、主に見込み客であるロスペクトからカスタマーに移行してもらうための方法になります。
カスタマージャーニーについて詳しくは、以下の関連コラムを参照してください。
■関連コラム
メールマーケティングとは簡単に言えば、保有しているメールアドレスを使ってターゲットにアプローチして購入へ誘導していくのが目的です。企業目線でいえば見込み客を教育して購入に導く方法です。メールマーケティングを効果的に行うにはメールというメディアの特性を理解する必要があります。
メールはWebサイトやブログとどのように違うのでしょうか。Webサイトやブログは例えていうならお店なのです。お店なので自分からは動けません。顧客が訪れるのを待つしかないのです。ですから、お店に人を集めるようにSEOやリスティング広告などを使ってアクセスをサイトに集める必要があるのです。
どんなに役に立つ情報があっても、いつお店に来てくれるかわからない。伝えると喜んでもらえる事が確実なのにその時に伝えられない。そんなもどかしさもあります。
ではどうしたらよいでしょうか?訪ねてきてくれた時にお客様の連絡先を聞いておくのです。関連する商品が入ったらお知らせできるように、こちらからお知らせできる体制をとっておけばいいのです。つまりメールアドレスを教えていただけばいいのです。そうすれば、あわてる必要はありません。良い商品が入ってきたら良い情報が入ってきたら真っ先にお知らせできます。こちらからアプローチできる、こちらのタイミングで有益な情報発信ができる、Pushできるのがメールの大きな特徴です。
さらにメールの特徴として理解すべきことは、メールというのは極めてプラーベート感の高いメディアであるということです。メールはお客様のメールボックスというプライベートな場所にあなたの手紙を届けてくれます。ですのでメールとWebサイトの文章では読んだ人の感じ方が違うのです。
例えていうなら、Webサイトにブログに記事を書くというのは、いろいろな人が自由に行き来する公道で誰でも見られるように手紙を公開することで、メールは、その人だけしか読むことのできないように封をした手紙を、その人の家に、その人が家の中で読めるように送るということです。
公道を歩いているときと、家の中にいる時とは気持ちが違いますよね。Webサイトやブログはみんなに読んでもらうのが前提で、メールは“あなた”に読んでもらうのが前提なのです。プライベート感が全く違うのです。このメールの特性を活かすためには、プライベート感を出すということが必要になります。全員いっているのではなく、「あなただけ」に言っている感じを出すことが必要です。
「あなただけ」に言っている感じを出すには、どうすればよいのでしょうか?実はとても簡単なことなのです。それは、あなたの言葉で、あなたの考えを誠実に伝えるだけです。あなたの言葉や考えを誠実に伝えれば、あなたという人間がどんな人なのかが伝わります。 実は“人間力”がものをいいます。
メールマガジンを発行する
メールマーケティングを展開するには、大きく2つのメールの配信方法を使い分けます。ひとつはメールマガジンを発行するということ、もう一つは自動メール配信を行うということです。
まずはメールマガジンの発行と送信の仕方についてです。メールマガジンを保有リスト全員に対して発行し送信するという場合もありますし、ターゲットとなる人の属性や興味分野などで分類し一定のグループに対して送るターゲッティングメールという方法もあります。
いずれの場合も、人々がメールアドレスを登録した際の意思と全く関係のない内容のメールにならないようにします。あまり関心のないメールを送っているとスパムと思われ逆効果になってしまいます。
内容を決める際には、誰に何を伝えたいのか、受け手となる人をイメージすることが大切です。できるだけ多くの読者に対し万人に受けるテーマが良いのかというとそうでもありません。万人に受けるというのは、言い換えれば一般的で特徴がないといえます。
大切なのは、テーマに対する専門的な情報です。ナンバーワンでなくてもオンリーワンで十分ですので、専門家としての内容にして受け手に対して語りかける内容にしていきます。その結果、読んだ人が以下のように感じてくれたら良いのです。
- すごく、おもしろい
- すごく役に立つ
- メリットがある、得をする
- 同じ分野の勉強ができる
- 発行者が好き
- 文章、人柄、何かに好感を持った
自動メールを活用する
メールマーケティングを展開するために、メールマガジンと使い分けたいもうひとつは自動メール配信です。ある出来事をきっかけとしてメール配信を自動で行う仕組みです。例えば、コンテンツのダウンロードの際のメールアドレス登録をきっかけにして、設定した期間ごとに自動で順番にメールを配信したりすることができます。
ステップメールといわれる、自動で定期的にメールを配信することができる強力なツールです。シナリオを作成し受信者の反応によって送るメールを切り分けるシナリオ分岐といった方法も使うことができます。
しかし一方で自動であるからこそ、計画なしにステップメールを送ることは危険です。つまらない内容のメールを自動で送り続けることで、受け取る相手が迷惑に感じてしまっては意味がありません。ですからステップメールを行う際は、実行する前に目的やステップ数、各ステップのストーリーを組み立て、メールの内容もよく吟味にしてから行います。きちんと計画して実行できれば効果を発揮するステップメールですが、3つの代表的な使い方があります。
- 見込み客へのアプローチ
コンテンツでメールアドレスの登録を促し、登録した後から商品の購入へとステップメールを開始するパターンです。まずアクセスを集めスクイーズページからメールアドレスを登録して頂き、ダウンロードをするまでの流れを作ります。メールアドレスを登録頂いたら、まず初めにすべきことは、お客様にダウンロードの方法を伝えることです。
あらかじめ自動返信メールをセットしておくことで、待たせることなく要求されたコンテンツを手にしてもらいます。この登録日に配信される自動返信メールがいわばステップメールのステップ0です。次の日からのステップメールをステップメール1として、ターゲットにオファーを伝える(売る)コミュニケーションを展開するわけです。以下にステップメールの展開例を示します。
ステップ0 自動返信メール、ダウンロードURL告知
ステップ1 ダウンロードした方に、伝える目的を明確にする
ステップ2 テーマに関連した有益な情報を提供する
ステップ3 信用できる会社、人物であることを証明する
ステップ4 問題を提起する
ステップ5 問題意識を高める
ステップ6 問題解決方法を提案する
ステップ7 マーケティングメッセージ(価値)を伝える
ステップ8 価格を伝える(価格は先に伝えてはいけません)
ステップ9 限定、緊急、絞込みを行う
ステップ10 行動を促す
- メールセミナー
2つ目の使い方はメールセミナーを運営です。定期的にコンテンツを1回目から順番に配信できるという、ステップメールの特徴を生かしてメールでセミナーを開催します。例えば、ウォーキングの初心者にウォーキングクラブへの入会を勧める、メールセミナーを開催するとしましょう。
1日目 オンラインセミナーの目的とゴール
2日目 ウォーキングとは
3日目 ウォーキングのさまざまな効果
4日目 ウォーキングの問題点
5日目 効果的なウォーキングの方法
6日目 ウォーキングを始める
7日目 ウォーキングを継続する(体験コースの案内)
このように、あらかじめ配信するコンテンツの内容と順番を考えて、7回分のメールとしてセットしておきます。こうしておけば誰がいつ申し込んでも、第1回目のセミナーメールから順に最終回まで自動で配信されるわけです。各メールに動画へのリンクをつけたりコンテンツを埋め込んだりするれば、さらに奥の深いメールセミナーになります。
- 購入者のフォロー
ステップメールの効果的な使い方3つ目は、購入者のフォローです。購入頂いたお客様をしっかりとフォローして満足度をあげることは、利益を増加させることに直結します。「購入者通信」というような形で特定の商品の購入者に登録して頂いて、購入者のメーリングリスト(データベース)を作っておくことで、商品のアップデイトやメンテナンスのお知らせなどを行うことも可能です。
こういた購入者のフォローとサポートは購入直後の自動返信メールとステップメール、それから通常のメール配信との組み合わせによって可能になります。例えばこんな感じです。
ステップ0 購入直後(受注時) ご注文ありがとうございます
ステップ1 納品時(出荷日) 商品を発送しました
ステップ2 それから1日後 商品は届きましたか?
ステップ3 それから1日後 何かお困りの事はありませんか?
ステップ4 それから2日後 こんな質問が寄せられました?
ステップ5 それから10日後 ご購入者のみのオファーがあります?(別の関連商品の紹介)
必要に応じて 商品の無料アップデイトのお知らせ
この場合のステップ0はお客様が購入を決定した直後に送られる、自動返信メールです。そしてステップ1からステップ5までは、購入日を起算日として自動で配信されるステップメールです。
後は必要に応じて都度マニュアルで配信する通常のメール配信をします。
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メールを使い分ける
メールマガジンやステップメールをターゲットごとに上手に使い分けましょう。それがメールマーケティングのプランニングになります。
メールマガジンをターゲットごとに打ち分けてターゲッティングメールを作るのも良いでしょう。ただし、リストをいくつかの興味を持った属性(種類)に分けるというのは、言い換えればリストをいくつかのターゲットグループに分けるということです。
でもターゲットグループに細かく分ければ分けるほど管理が複雑になりますし、せっかくリストを分けても同じ内容のメールを送っていれば、リストを分けること自体が全く意味がないということになります。リストをどのようにグループ分けするか(データベース化するか)を考え、配信するメールマガジンをコントロールする必要があります。
例えばイメージとして、以下の3種類のメールでメールマーケティングの構成を考えます。
- メインのメールマガジン
基本的にすべての読者に定期的な配信するメールマガジンで、テーマに沿ったあなたが持っている全てのリストに配信するものです。定期的に配信するのが普通ですが、配信する作業は、自動ではなくて配信する度にリストを選択し、メールの内容を書き、配信設定を行います。リアル感、鮮度を大切にしたいメインのメールマガジンは自動で行わずに旬な話題をいれて配信します。
- イベントベースのステップメール
メールアドレスの登録というイベントがスタート(Step0)となって、見込み客のアプローチやオンラインセミナーという形で、リストの登録から紹介して教育するアプローチへと自動で流れていきます。最初にセットしたステップによる自動配信が終了したら、そのステップメールは基本的にそれで終了になります。
ステップメールを終了した時点で、購入へいたったリストは購入者リストへ、購入しなかったリストはメインのリストへ集約し潜在顧客リストとして、次の機会をまつということにします。MA(マーケティングオートメーション)によってナーチャリングを行っていきます。
- 購入者へのサポートメールマガジン
購入者へのサポートメールはステップメールと都度配信のミックスになります。ステップメールでのダウンロードと初期のサポートが終わったあとは、アップデイトのお知らせなどを必要なときに配信します。
このようにメールマーケティングの全体の考え方を設計しましょう。例えばイメージとして表したのが次の図です。キャンペーンAやBというのは、登録からダウンロードの仕組みの部分です。
キャンペーン等のイベントを企画してあらゆるメディアでテーマに沿ったアクセスを集める、引き寄せるコンテンツをうまく使いながらリスト登録を促しリストを集めます。集まったリストに対してステップメールを流してサービスをオファーすることもあれば、リストをそのままメインのメールマガジンに集約することもあります。
キャンペーンなどのイベントを企画してリストを集めるということを繰り返し、メインのリストに集約しつつ、テーマに興味のある人のリストを大きく育てていきます。メインのメールマガジンやステップメールでオファーを続けていく中で購入者があれば、購入者として大切にサポートしていくことが必要になります。購入者のサポートは購入者通信などと言う形を取りながら、ステップメールと通常のメールマガジンを組み合わせながらフレキシブルに行うことが大切です。
メールを分析し反応を高める
メールマガジンや自動メールを配信したら、それで終わってはいけません。継続的に成長するために最も大切なことがあります。それは反応を分析して継続的にメールマーケティングの構成や内容を改善することです。
例えば配信したメールは読んでもらっているのでしょうか?どんなに役に立つ気持ちの入ったメールを配信しても読んでなければ意味がありません。メールが効果をだしているかを確かめるために以下のデータを見ましょう。
総配信数、到達率、開封率、精読率(クリック率)、CV率です。
内容が無いメールを無差別的に送ると、せっかく送ったあなたの大切なメールが「迷惑メールフォルダ」に入ってしまいます。こうなると開封するしない以前の問題になります。
まず総配信数とはメールを送った総数です。そして、到達率とは、読者のメールの受信トレイに到達しているかという事です。メールを配信したからといって、必ず読者さんに届くとは限らないのです。
ターゲットに無事に到達したら次に開封率です。無事に迷惑メールにもならず受信トレイにメールが届いたとしても、届いたメールを開けてくれなければ届いてないのも同じだったりします。開封率とは受信ボックスに届いたメールを開けてくれる確率です。
開封率はブランドが確立されてきて信頼感が出てくれば高まっていきます。その上で件名が開封率を高めるポイントになります。到達率と開封率、最低ここまでをクリアしないと、物理的に読んでもらっていないという事になります。
やっとメールが無事に受信トレイに届いて開いてくれました。このポイントで最後の関門になるのが精読率です。メールを受け取った読者さんは忙しいのですが、そんな忙しい中でも貴重な時間を使って読んでくれる、クリックしたり、反応したり実際にじっくりと読んでくれている人の割合が精読者です。
いくら見かけの読者数(リスト)だけが増えても、そのほとんどが実際には読まない人であれば、いくら増やしても実は意味がありません。精読率をあげるということは、メールマーケティングにとって非常に重要な課題です。そして精読率の高いリストを集めるには、コンテンツマーケティング等におけるリストの獲得の仕方、リストの集め方が重要なのです。
総配信数、到達率、開封率、精読率(クリック率)、CV率が高ければ高いほど良いわけですが、どこが低いかを理解して改善を行うことが重要です。
例えば開封率がわるければなぜなのか、呼んでもクリックする等の期待した行動を起こしてくれないのはなぜなのかを継続的に改善します。
メールのアクセス解析で、どのリンクがクリックされたかを分析することは、メールコンテンツ制作をする場合には大切です。なぜならクリックは反応(レスポンス)だからです。反応を理解する事で、配信したメールにどの程度の反応があるのか、どんなリンクに興味をもつのかを感じる知ることができます。
- メールのどの位置
- どの誘導文
- どのサービス
- どの商品
- どの時間帯
- どの曜日
- 何人に何回クリックされたのか?
メール配信全体の効果を分析すること、メールの内容への反応を分析すること、これを継続的に行うことで効果を高めていきます。
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