外的要因と内的要因―企業の成長に影響を与える主な要因
- 外的要因と内的要因とは、企業の外と内で起こっている変化を知ることです
- それにより、外の変化をはやく察知し、内にある経営資源を最適化し対応することができます
詳しくは以下のコラムで
企業をとりまく様々な変化
世の中は常に変化しています。企業が成長していくためは、さまざまな変化に適切に対応していかなくてはなりません。そして変化に対応するためには、どんな変化に注意すべきかを知る必要があります。
変化を理解することはマーケティング戦略を作る際にも必要です。企業の外でおこっていること、企業の内でおこっていること、いったいどんな変化があるのでしょうか。
図に表すとこんな感じになります。
コントロールしにくい外的要因(マクロ環境分析)
まず外的要因といわれるものがあります。言葉のように企業の外でおこっている変化です。外的要因を理解する方法としてPEST分析があります。PESTとは、政治的(P=political)、経済的(E=economic)、社会的(S=social)、技術的(T=technological)の頭文字を取った造語です。ここにエコロジーや環境問題といったものも加わります。
- 政治によっての例としては、法規制強化や規制緩和は業界とその中にいる企業に大きな影響を及ぼします。消費税などの税率が変わることによっても市場は大きな影響を受けます。
- 経済によっての例としては、2008年のリーマンショックからはじまった世界経済の低迷は様々な企業に大きな影響を与えました。政治とも絡みますが最近の米中貿易摩擦なども大きな影響を及ぼしています。
- 社会によっての例としては、少子高齢化などの人口の構成比率や、流行や、価値観や、ライフスタイルや、文化や、教育や、社会に関わる様々な要因が企業の経営に大きな影響を及ぼします。
- そして技術によっての例としては、技術革新が業界の地図を一変する事があります。例えばデジタル機器のコストダウン、いわゆるチープ革命はカメラや音楽プレイヤーを一新し、そしてフィルムや使い捨てカメラ、カセットテープやラジカセの多くは姿を消しました。さらにインターネットとデジタルの波がビジネスモデルを大きく変えつつあります。
環境の変化に敏感ではない企業は衰退していきます。プラスチックの削減などにより戦略を変更せざる負えない場といったこともでてきます。これらの外的要因は、企業側でのコントロールが難しいものです。だからこそ事前にできるだけはやく変化の波を予測し、それに対応するように企業側が経営資源や比較的コントールしやすい内的要因を柔軟に変更していく事が求められます。
たとえばIT(情報技術)バブルが崩壊した2001年や、2008年のリーマンショックの時には半導体業界は大きく落ち込みました。私は当時、工業用部品のネット販売の会社にいましたが、半導体業界に売上をたよりすぎていると影響が大きくなるという事を痛感しました。
その教訓を生かして電子部品だけでなく、メンテナンスに使うMRO品の売上を上げていくように戦略を作りました。一頭立ての馬車なら、その一頭が倒れれば前には進めません。
でも二頭立てならたとえ一頭が倒れてももう一頭でなんとか前に進むことができます。ツーホースストラテジーです。
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市場をとりまく環境(ミクロ環境分析)
競合がいない独占的な市場であれば、利益も大きく成長をしやすいでしょう。でも現実はそんなことはなく、必ず競合があります。今は、目に見えなくても必ず現れます。自社の市場を取り巻く環境を見て競争の原因を理解する必要があるのです。それによりと今後の戦略を立てやすくなります。業界の収益をきめる競争の原因をまとめたマイケル・ポーター氏の開発したファイブフォース分析というのがありますが、それを使うと理解しやすくなります。ファイブフォース、つまり5つの力です。
- 競争業者の脅威―既存同業者との敵対が強くなると値引き合戦になり利益を損ないかねません
- 新規参入企業の脅威―知らない間にシェアをとられていたということになりかねません
- 代替品の脅威―自社と同じ、もしくは低価格や高品質の優れた代替品が現れるかもしれません
- 売り手の交渉力―供給業者が大きな交渉力を持つと不利な取引条件につながり利益を減らすかも
- 買い手の交渉力―顧客の交渉力が強い場合、希望価格より安く売ることになり利益をへらすかも
このような自社の市場をとりまく競争の原因にも目を光らせておく必要があります。
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コントロールが可能な内的要因ー経営資源
企業には、経営をしていくためのリソース・資源があります。どんな資源をもっているかを理解することで思いがけない危険にさらされた際に対応することができます。経営資源といわれるものは、いわゆる人・モノ・金、そしてノウハウです。
- 人材 ― 人はもっとも大切な資源です(年齢構成、スキルセット、就業体系など)
- 組織 ― 配置や編成、拠点など、人材マネジメントなど
- 資産 ― 販売や生産拠点、設備などの雄勁なものと、ブランドや特許などの無形なもの
- 会計 ― 財務会計と管理会計で管理された資金
- 情報 ― 技術やノウハウ、顧客情報、システムなど
持っているリソースを理解していないと変化に対応できなくなります。
コントロールが可能な内的要因ーマーケティング戦略
経営資源を効果的効率的に使ってあるべき姿へと行く方法がマーケティング戦略でです。ですから経営資源を使うマーケティング戦略は内的要因の大きな要素になります。つまり「誰に」、「何を」、「どうやって」価値を提供して対価をいただき利益をだしているのか、それをどのように継続的に行っていくかという部分です。
コントロールしにくい外的要因の変化をはやめに察知し、コントロールできる経営資源や内部要因を活用し「誰に」、「何を」、「どうやって」を継続的に改善して最適化しながら、最大効率最大効果で実行するのがマーケティング戦略ともいえます。
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