ターゲットセグメントとマーケティングミックスのパターン

  • ターゲットセグメントとマーケティングミックスのパターンとは、つまり選択と集中のやり方だ
  • それにより経営資源を最大限に活かすための、長期的な方向性を考えることができる

詳しくは以下のコラムで

セグメンテーションとターゲッティング

マーケティング戦略とは、「誰に」、「何を」、「どうやって」価値を提供するかということですが、「誰に」を明確にするためにマーケットセグメンテーションということを行います。市場をいくつかに分けて(セグメンテーション)そのなかからターゲットにするセグメントである市場を選びます。(ターゲッティング)固い言葉でいえば、標的市場を明確にするということです。

ターゲットとなるセグメント市場を選んだら、その市場のなかで競合とどのように差別化し価値を提供するかを決めます。これを市場の中での立ち位置を決めるという意味でポジショニングといいます。セグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニングのことを、頭文字をとってSTPと呼ぶ場合もあります。

セグメンテーションは市場を分けるという意味ですが、分けるにあたってはなんとなく分けるのではなく、意味のある切り口をきめて分けることが必要です。そしてセグメンテーションは以下のような要件を満たしている必要があります。

  • 測定可能 - セグメントの市場規模や範囲が測定できること
  • 実質的 - セグメントに分ける事に価値があること
  • アプローチ可能 - そのセグメントにピンポイントでアプローチできること
  • 差別化が可能 - セグメントに違いが見出せなければ分けなくても同じ
  • 実行可能 - 例えば費用やリソースや時間等から判断して実行可能であること
  • ビジネスとなる市場規模があること - 可能性のないものをいくら細かくしても全く意味なし

そして分けたセグメントからターゲットを選んだら、そのターゲットセグメントが本質的な魅力があり、自社の強みを発揮できるかを評価します。ターゲットセグメントは以下のようなポイントを満たしているでしょうか。

ターゲットセグメントとマーケティングミックスのパターン

分けたセグメントからターゲットを選んだら、そのターゲットセグメントが本質的な魅力があり、自社の強みを発揮できるかを評価します。ターゲットセグメントは以下のようなポイントを満たしているでしょうか。

  • セグメンテーションの要件を満たしているか?細かすぎないか?
  • 市場の本質的な魅力があるか?
  • そのセグメントの規模は十分か、成長性はあるか?
  • その成長性や規模は自社に適しているか?
  • そのセグメントは自社のミッション・ビジョン・目標と合致しているか?
  • 自社の経営的な強みや技術力はそのセグメントに向いているか?強みを発揮できるか?
  • 現在の顧客プロファイルとの共通性が高いか?(既存市場の浸透を図る場合は特に)

ターゲットセグメントが決まったら、提供する価値であるマーケティングミックスを仕掛けていきますが、ターゲットセグメントとマーケティぐミックスのパターンには大きく3つあります。

  • 無差別的
  • 集中的
  • 差別的

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無差別的(市場全てに単一のマーケティングミックス)

まずは無差別的(市場全てに単一のマーケティングミックス)なパターンです。

無差別的なので、以下のように市場全てに単一のマーケティングミックスを行います。いいかえれば基本的にセグメンテーションを行わないというものです。幅広い市場をひろくあたることになり特徴のないものになりかねず、現代の多様化したマーケットに機能させるのは難しいといわざるを得ません。

集中的(あるセグメントに集中して単一のマーケティングミックス)

次は集中的なパターンです。セグメンテーションをいくつかに切ってターゲットセグメントを決め、そこに対して集中的に1つのマーケティングミックスを行うことです。いいかえれば通常の形のセグメンテーションとターゲッティングです。ターゲットセグメントに差別化できるマーケティングミックスを仕掛ける、つまりポジショニングを行うということです。

差別的(複数のセグメントに特化したマーケティングミックス)

3つめは差別的なパターンです。複数のセグメントを選択し、複数のマーケティングミックスによってアプローチを行います。

この場合には、複数のセグメントに対して複数のマーケティングミックスを用意する事になる為に費用もかかりますし、考え方やプロセスが複雑になる可能性があります。複数セグメントで共有できるプロセスやリソース、出来ないプロセスやリソースが生まれて、結果としてリソースの取り合いなどが起きないような仕組みが企業内に必要です。SBU(Stragtegic Business Unit)や事業部ごとに分けるなどはその1つの例です。企業としてセグメントのプライオリティをつける事が必要な場合もあるかもしれません。

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長期的なセグメント展開プラン

他の競合に打ち勝つ、マーケットシャアを拡大する為には限りある経営資源を最大限に活かす為の長期的なセグメントの考え方と展開プランも大切です。競合の先を読み戦略性と機動力をもってマーケティング活動を長期的視野に立って展開する必要が出てきます。セグメントの魅力度や競争の状態からみて長期的な方向性を決める際に、大きく5つの方向性が考えられます。

  • 参入

新たな市場の開拓、参入です。現在のような変化の激しい環境下で新規市場に参入する為には現在の活動の改善や合理化だけではなく、以下のような新たな活動やイノベーションが必要になってきます。

  • 成長

顧客維持率の向上、顧客シャアの拡大、新規顧客の獲得、新しい製品サービスの開発、新規市場への参入、新しい流通チャネルの構築、国際的成長、買収と提携、現在の業界をこえた成長を目指すものです。

  • 維持

市場シェアを維持する事が適切な戦略目的となるものもあります。この場合は価格競争を避ける事が大切です。消極的な戦略にはかわりないが市場シェアを失う事を容認しないのが収穫とは異なる。

  • 収穫            

キャッシュフローの最大化を狙い市場シェアを失う事もいとわないというものです。衰退事業ではありますが、撤退するには精算価値が低いと判断されたセグメントで営業マージンを増大させる為に価格の引き上げや、変動費・固定費の削減等を行う場合もあります。

  • 撤退

将来的な成長、利益の見込めない市場セグメントから撤退し、収益性のない商品を合理化しコストの削減と再投資を図るものです。

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