【B2Bマーケティングの学校】B2Bマーケティング戦略とは
ここでは、B2Bマーケティング戦略とは何かについて解説します。
すごく簡単に言うと、マーケティング戦略とは利益を出す仕組みであり、B2Bマーケティング戦略はB2Bに特化した利益を出す仕組みです。
なぜB2Bということばをつけるかというと、個人を相手にしたB2Cマーケティング戦略と考え方が違うからです。
B2BとB2Cでは構成員(かかわる人)と購買プロセス(買う方法)が違うために、B2Bに特化した戦略の作り方が必要なのです。
- B2Bは組織がありその中に個人がいる
- B2Bの買う方法はとても複雑
マーケティング戦略を必要な3つのことは、「誰に」「何を」「どうやって」です。
B2Bマーケティング戦略とは、組織と構成員(かかわる人)や購買プロセス(買う方法)を意識して「誰が」「何を」「どうやって」を作ることだといえます。
「マーケティングとは何か?」「B2BとB2Cの違い」に関しては、以下のコラムを参照ください。
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B2Bマーケティング戦略の「誰に」
「誰に」をきめるためには、STPという方法を使います。
STPとは、セグメンテーション(Segmentation)、ターゲッティング(Targetting)、ポジショニング(Positioning)のことです。
簡単にいうと、市場をいくつかに分けて、その中から1つを選んで絞り込み、他社と差別化するということです。
絞り込まずに市場全体をカバーしようとすると力が分散して効果がでないので、効果がでそうな「誰に」を絞り込みます。
以下が手順です。
- Step1 市場規模の把握:あなたの会社が存在する市場と大きさを知る
- Step2 市場の分析:どのような切り口で分類できるかを見る
- Step3 セグメンテーション:どう切り分けるかきめる (分ける切り口をきめる)
- Step4 ターゲッティング:セグメント(部分)を選ぶ(どこで勝負するか決める)
- Step5 ポジショニング:どう競合と差別化して価値をだすかきめる
STPという方法自体はB2BでもB2Cでも変わりませんが、みるポイントが違います。
STPのなかのセグメンテーションB2Cでおこなう場合は、分ける切り口として年齢や性別といったデモグラフィックデータや好みや価値といったサイコグラフィックデータ、行動分析などで行いますが、B2Bでおこなう場合はファーモグラフィックデータを重視します。
ファーモグラフィックデータとは、業種や職種などの会社にかかわるデータのことです。
例えば業種×職種でセグメンテーションをして、そのなかから電子部品・電子装置の業界の研究開発の人(R&D系)と購買の人(購買系)をターゲットにするといった具合です。
このような手順をへて商品やサービスの購入プロセスにかかわるキーマン(重要人物)をイメージすることで「誰に」をきめます。
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B2Bマーケティング戦略の「何を」
「誰に」の次は、その「誰に」「何を」とどけるのかを考えます。
会社が提供する商品やサービスです。
B2Bは会社が顧客ですから、会社のニーズや課題を考えます。
その会社がどういうビジョンをもってどういった方向にすすもうとしているのか、どんな目標でどんな戦略か、そのうえで今のニーズや課題は何かを考えます。
そして会社の中には、個人がいます。
会社のニーズや課題があって、そこにつながる個人であるキーマンにもまたニーズや課題があります。
そういったことをふまえて「何を」を決めます。
注意すべきは単に商品やサービスを売るのではないということです。
商品やサービスを売るということでなく、ニーズや課題をみたす解決策などの価値を売ります。
「何を」は“会社と個人に成功してもらうための価値”です。
そして“会社と個人に成功してもらうための価値”を提供するための仕組みの組合せがマーケティングミックスです。
マーケティングミックスを考える際には、よく4Pという分け方を使います。
- Product(商品やサービス)
- Price(価格や支払い方法)
- Place(流通:モノやお金や情報の流れ)
- Promotion(コミュニケーションの方法)
ちなみに、Product(商品)というとモノという発想になりがちであること、Promotionというと販促活動といった一方通行の売り込みになりがちなので、私はProductの部分は商品・サービスミックスと、Promotionはコミュニケーションミックスといいかえています。
また4Pを顧客視点にきりかえて、4Cとよぶこともあります。
- Customer Value(顧客価値)=Product
- Cost(費用)=Price
- Communication(コミュニケーション)=Promotion
- Convenience(便利さ)=Place
4Pも4Cも、どのように“会社と個人に成功してもらうための価値”を提供するのか、その仕組みの組合せであるマーケティングミックスを考える方法であって、すべてがこれに当てはまるということではありません。
「何を」はSTPできめた「誰に」にお届けする“会社と個人に成功してもらうための価値”です。
マーケティングミックスについて詳しくは、以下のコラムを参照ください。
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B2Bマーケティング戦略の「どうやって」
「誰に」「何を」を決めたら「どうやって」です。
- 商品やサービスの購入プロセスにかかわるキーマンに、(誰に)
- 会社と個人に成功してもらうための価値 (何を)
- (どうやって)正しく伝えて利用してもらうか
“(どうやって)正しく伝えて利用してもらうか”を考えていきます。
ここは以下の3つの仕組みをつかって考えます。
- カスタマージャーニー(顧客獲得の仕組み)
- カスタマーストーリー(顧客育成の仕組み)
- カスタマーエクスペリエンス(顧客維持の仕組み)
まず利用してもらって、もっとたくさん利用してもらって、いつまでも利用してもらう仕組みをつくります。
ここでもポイントはB2Bに特化したカスタマージャーニー、ストーリー、エクスペリエンスをつくることです。
つまり、会社の組織と構成員(かかわる人)や購買プロセス(買う方法)を理解して、作ることが大切になってきます。
カスタマージャーニー、カスタマーストーリー、カスタマーエクスペリエンスについて詳しくは、以下のコラムを参照ください。
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