【B2Bマーケティングの学校】B2BとB2Cの違い

B2BとB2Cの違い

ここでは、B2BとB2Cについて解説します。

B2BやB2Cというのは、なんのことかご存じでしょうか。

B2Bというのは、Business to Businessの略で、B to Bとかくこともあります。

ビジネスとビジネスの間でいうことで、会社と会社との間で売り買いをするということです。

一方で、B2Cというのは、Business to Consumerの略で、B to Cとかくこともあります。

ビジネスと消費者との間でということで会社と消費者、つまり会社と個人との間で売り買いするということです。

例えば、スマートフォンなどの商品をつくって個人に売っている会社がB2Cで、そういった製造会社に素材や部品をつくって売っている会社がB2Bです。

iPhoneを売っているアップルはB2Cで、コンデンサという電子部品をアップルに提供しているM社はB2Bです。

そのほかにも、B2B2Cというビジネスとビジネスとの間に入って個人に商品を売るアマゾンなどのeコマースモデルや、商品やサービスをつくってインターネットを介してダイレクトに個人に売るという意味でのD2C(Direct to Consumer)という言葉もありますが、これらもひろい意味ではB2Cのモデルに含まれます。

ここではB2BとB2Cの違いについて考えていきます。

B2BとB2Cの違いをみていこう

B2BとB2Cの違いは、顧客が会社か個人かということです。

相手が会社か個人かの違いのために、マーケティングの考え方が違ってくるというところがポイントです。

以下の表に、B2BとB2Cの違いまとめましたので、ひとつずつみていきましょう。

まず顧客は、B2Bは法人、でB2Cは不特定多数の個人です。

法人、つまり会社には、組織があるということに注目しましょう。

会社には様々な部門があって、その中に様々な役割の人が働いています。

すこし大きい会社になると、本社があって営業所や工場があってと場所も多くなります。

その中に部門があって職種という役割をもった人がいます。

ここがB2Bビジネスを複雑にする本質的な難しさです。

次に購買理由、なぜ買うのかですが、B2Bは会社や組織の目的にあうからです。B2Bでは組織の目的が個人の目的よりも優先されます。

一方で、B2Cは「欲しいから」買うというわかりやすい理由です。

意思決定、つまり買うという判断がどのように行われるかですが、B2Bの場合は複数の部門や職種の人がかかわり複雑です。

自分のお金ではなく会社のお金で買うので、「これ思い切って買っちゃうか!!」といった衝動買いはまずありません。

B2Cは、個人が買いたいから買うと決めます。

見ていてほしくなったからといった衝動買いも結構あります。

次に購買分析の際のポイントですが、B2Bの場合は組織の中の複数の人がかかわるので組織と個人の両方に目を向けなければなりません。

例えば、ある会社の購買の担当の人がA社の商品をとても気に入っていてA社から買いたいと思っても、組織の目的にあわなかったり、部門としてA社からは買わないという意思があれば買いません。

でも同時に購買担当といった個人の心理も無視できません。

部門として条件さえあえばA社でもどこから買ってもいいという状態でも、もし購買担当の人が絶対ダメだと思っていたら、やはり買わないからです。

B2Cは個人の心理を考えればよいので、B2Bよりもわかりやすいです。

顧客との関係は、B2Bは継続的で固定化しやすいです。例えばこの部品はA社から買おうと一度決めると、その関係が長い間つづく可能性が高くなります。

ですから、いちど入り込んだら有利です。反対にあらたに入り込もうとする会社にとっては切り込むのが難しいです。

また商品やサービスを選んだり評価したりする際は、QCTなどで評価することが多いです。

QCTとは、 Quality(品質)、Cost(コスト)、 Time(納期)の略です。QCTが悪いと商品の生産やサービスに大きな影響を与えます。

たとえばある電子部品の在庫がなくなり生産ができなくなるといったことも起きます。前に半導体の生産が追いつかずに工場が止まったというニュースもありましたね。

そのために良い製品を、みあった価格で、納期をまもって供給してくれるような会社とつきあいたいと思うのです。

B2Cは、このブランドがすきだからといったイメージに左右されます。

移ろいやすい、気持ちが変わりやすいので、ほかの商品やサービスにも目が行きやすく注意が必要です。

最後にコミュニケーションのB2BとB2Cの違いです。

B2Bは、会社と会社の関係なので、たくさん買ってくれるたくさん利益をだしてくれる優良顧客(会社)が重要です。

その会社との関係を維持するために、特別な取引条件や価格を決めたり、組織の上層部や購買担当などの取引に影響を及ぼすキーパーソンとの関係をよくしておくことが大切になります。

B2Cの場合は、ブランド価値を高めていわゆるマーケティングコミュニケーションといわれる、広告や販売促進活動を行っていきます。

今は、ネットを使ったサーチエンジンマーケティングなどのコミュニケーションが主流です。

B2Bに関してはいわゆるマーケティングコミュニケーションは効果が出にくいというのが一般的でしたが、ここは次第に変化し始めました。

ネットを活用して有効なコンテンツやオンラインセミナーなどを使ってリードといわれる潜在顧客を集める、いわゆるデマンドゼネレーションや、獲得したリードに対してインサイドセールスがオンラインでアプローチして育成したりと、デジタルを使ったコミュニケーションが行われて効果が出るようになってきました。

とはいうものの組織と組織の中の個人が商品やサービスの購入の決定に影響するという点に変わりはないので、この点をおさえたうえでいかにオンライン化、デジタル化を進めていくかがB2Bにおけるコミュニケーションのポイントになります。

B2BとB2Cの違いとポイントをまとめると

  • B2BとB2Cでは構成員(かかわる人)と購買プロセス(買う方法)が違う
  • B2Bマーケティングでは組織や構成員と購買プロセスの理解が重要
  • マーケティング戦略(「誰が」「何を」「どうやって」)の決め方が違う

となります。

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B2Bでは組織の理解が大切

B2Bでは組織や構成員(かかわる人)と購買プロセス(買う方法)の理解が重要といいましたが、もう少し詳しくかんがえていきます。

まず組織や構成員(かかわる人)ですが、以下は、B2Bの場合の顧客の考え方、B2B顧客データベースの考え方です。

こういった顧客データベースをもって、効果的なコミュニケーションをすることが大切です。

まずAという会社には、本社があります。この図でいうAサイトです。

そして本社のしたには、営業所や開発室や工場やさまざまなサイト(場所)があります。

この図でいうとBサイト、Cサイト、Dサイトです。

そしてそれぞれのサイトには、組織にそった部門や課があり、そこにいろいろや役職や職種の人が働いているのです。

このような組織と構成員の仕組みは会社ごとに違うので、効果的にコミュニケーションを行うには、まず重要なお客様である会社の組織と構成員の理解が必要です。

さまざまな人がかかわる購買プロセス

あわせて理解が必要になるのは、購買プロセス(買う方法)流れです。

今見てきたようなサイト、サイトの中の部門、その中の人など、その会社の組織と構成員が複雑にからんできます。

以下はある会社がモノやサービスを買う方法、流れです。(購買プロセス)

まず左から右に向かって時間が進んでいきます。

そして、たてに示した「決定者」「購入者」「選定者」「使用者」といった人たちが、それぞれの流れの中でかかわってきます。

まず左から「案件発生・問題認知」という部分からスタートします。

何らかしらの案件が発生したり(商品開発など)、問題が発見される(効率がわるいなど)があると、これについて情報収集をして案件や問題点を明確にしていきます。

「研究開発・課題整理」「要件定義」といった部分です。

ここでは、研究開発をしたり、問題を特定したり、どんな商品やサービスが必要なのかを検討する人たち、選定者といわれる「R&D系」「設計系」「生産技術系」といった人たちが登場します。

この段階をおえると次にどの会社のどの商品やサービスにするのかを比較検討する「比較検討サプライヤー探索」「見積取得分析」という段階に入ります。

商品やサービスを提供している会社を探し出し、比較し、見積もりをとって絞り込むといった部分です。ここでは、購入者である「購買系」の人たちが活動します。

購買系の人たちが商品やサービスを絞り込んだら買えるわけではありません。経営に影響する投資や高額なものは、経営者・経営層の承認が必要です。

「見積評価サプライヤー選定」という段階にすすみ、これらの決定者といわれる「経営系」がいいよといってくれないと先にはいけません。

決定者の決定を受けて、商品やサービスの購入が決まったら、いよいよ「選択購入」です。

購買系が契約し購入手続きをすすめます。そして最終的に商品やサービスを使うのは使用者とよばれる「製造・加工系」「生産技術系」「保全系」といった人たちです。

これらの人たちは、実際に使っての成果やフィードバックを購買系に行うことで、次回の参考にします。

重要な顧客の理解をすすめてアプローチを考える

いかがでしょうか。B2Bは複雑ですね。

ここに示したのは、ある会社のモノやサービスを買う方法、流れ(購買プロセス)の例ですが、どの会社であれ、組織があり、そこには人がいて、購買プロセスがあります。

大きくなればなるだけ複雑化していきますし、個々の会社に特有のやり方や仕組みがあったりします。

それぞれの会社の組織の作り方や、流れ、役割、力関係などの正しい理解が必要になってきます。

ただ、すべての会社において、このレベルの理解が必要かというとそうではありません。

時間にも限りがあります。

あなたの会社にどれだけ大きな影響をあたえる、売り上げや利益にかかせない顧客なのかどうかによって理解すべきレベルも異なってきます。

B2Bでのコミュニケーションは、組織や構成員(かかわる人)と購買プロセス(買う方法)を理解したうえで、それにあったオファー(提案)やチャネル(方法)やタイミングを考えて行いましょう。

B2Bは、なかなか深いのです。

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