SBU(Strategic Business Unit:戦略的事業単位)とは?
- SBUとは、戦略を最大効果効率で実行するための企業活動の単位です
- それにより、「何を」「誰に」「どうやって」価値を提供するかを最適化することができます
詳しくは以下のコラムで
SBU(Strategic Business Unit:戦略的事業単位)とは何か?
SBU(Strategic Business Unit:戦略的事業単位)とは言葉通り事業の単位で、企業活動を全体でひとつとして考えるか、それともいくつかの別々の活動として考えるかということです。ですからSBUを分けて考えた場合には、戦略もそれぞれのSBU単位で考える必要があります。
「誰に、何を、どうやって価値を提供するか」の「誰に」が他と違っていたり(つまり市場や顧客が違っている)、「何を」が他と違っていたり(つまり商品やサービスが違っている)、「どうやって」が他と違っている(つまり提供する方法が違っている)場合には、SBUとして分ける必要があるかもしれません。
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なぜSBUに分ける必要があるのか?
まず今のあなたの会社はSBUに分かれているのか、分かれていないのかを理解しましょう。分かれていないのであれば(分ける必要がないのであれば)、「誰に」「何を」「どうやって」価値を提供するかは一つで考えます。つまり戦略はひとつです。
反対にSBUが分かれているとしたら、どのように分かれているかを正しく理解する必要があります。それぞれのSBUの売上や規模、拡大しているのか(縮小しているのか)などの現状を理解して、限りある資源を効果的に投資するためにも、今のSBUの組合せ(SBUミックス)を見直す場合があるかもしれません。
「誰に」が他と違っていたり(つまり市場やカスタマーが違っている)、「何を」が他と違っていたり(つまり商品やサービスが違っている)、「どうやって」が他と違っている(つまり提供する方法が違っている)場合は、目標を達成するための成功要因(KSF:Key Factor for Success)が違うということになるので、事業単位をSBUとして明確に分けて予算やリソースやプロセスをSBUごとに分配したほうがより大きな効果を出すことができるかもしれません。反対に「誰に」「何を」「どうやって」明確な違いがないのにSBUをわけることは効率がわるくなり業績を悪化させることにもなります。
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SBUの分け方
「ターゲットとする市場・顧客を明確にする」とはよくいわれることですが、いうは易しで意外に難しいものです。逆を言えば、ターゲット顧客を明確にするだけで、戦略がある程度がはっきりしたともいえるわけです。
下の図は、私があるB2B通販で実際に議論した際の内容です。この時はまずターゲット顧客を業種と職種からタイプ別に分け「誰に」を決め、次に各グループに対し「何を」「どうやって」攻めるかという議論をしました。
議論の結果、以下の5つのグループに顧客のタイプを分けました。
- 製造業の研究開発(電気)設計 - すでにブランド力があり主戦場
- 製造業の研究開発(機械) - 研究開発(電気)と同じような需要があるが認知が不十分
- 製造業の保守メンテと他サービス - 第二の軸として可能性を探る
- 製造業・タサービスの購買 - 購買部門はニーズやゴールが異なるため個別のアプローチが必要
- 商社 - 商社の特性にあわせた別のアプローチが必要
このように「誰に」を決めて「何を」「どうやって」アプローチしていくかを考えることで戦略をグループごとに切り替えていくという事ができます。SBUをどのように分けるかの一つの考え方です。
ここではターゲット顧客「誰に」にフォーカスをして事業単位を考えましたが、多くの場合SBUは市場(顧客)×商品(サービス)マトリックスで考えることが出来ます。下の例では横軸が市場(顧客)で縦軸が商品(サービス)になりますが、このようなマトリックスを使って企業活動を全体で一つとして考えた方が良いか、SBUとしていくつかに分けて考えた方が良いかを決めます。
以下はSBUの考え方の別の例です。この例では顧客を大口顧客A市場と、B市場、小口顧客に分け、商品を標準品、特注品(受注生産品)、カスタム品に分けて考えています。
SBUを分けるべきかを考える際の視点
ではどのような際にSBUを分けて設定したほうが良いのでしょうか。
SBUは「誰に」「何を」「どうやって」に大きな違いがあるか否かで考えます。「誰に」「何を」「どうやって」が大きく違えばSBUに分けることを検討します。以下のような視点があります。
市場または顧客に違いがあるか
- 業種・業界・業態の違い
- 顧客の大きさ・企業力・信用度の違い
- 購買頻度や購買プロセス、時期・サイクル等の違い
商品・サービスに違いはあるか
- 顧客からみた提供価値の違い
- 価格に対する感度の違い
競争状況の違いはあるか
- 競合の有無、代替製品・サービスの有無
- 競合との相対的な力関係の違い
- 新規参入の可能性
成功要因(KFS)にちがいはあるか
- 成功要因の違い、違うのであれば戦略的な打ち手も異なる
戦略の方向性に違いはあるか
- 戦略的重要度の違い
- 経営資源(人・モノ・金)の配分方針の違い
まずはこのような視点からSBUに区分する必要があるかを考えます。
どのようにSBUを分けるかの視点
次に、検討の結果SBUに分けるという場合にはどのようにわければいいのかについて市場(顧客)×商品(サービス)をベースに考えます。
市場(顧客)の視点から
- 業種/業態の属性分類
- 大口か中口か小口か
- B2B かB2C
- 購買頻度が多いか少ない(ポテンシャル)
- ワンオフか定期購買か
- 直接販売か間接販売か
- 購買チャネルの違い
商品の視点から
- 標準品か特注品かカスタム品か
- 価格帯・グレード
- 単品かシステム品か
- ハードかサービスか
- 基盤技術(人型か装置型か)
- 商品の用途
こののような視点から最大効果最大効率のでる戦略的事業単位、SBUを決めます。
SBUを考えるテンプレート
SBU(Strategic Business Unit:戦略的事業単位)とは戦略を最大効果最大効率で実行するための事業単位です。「誰に」「何を」「どうやって」価値を提供するかを考え抜き、SBUを決めます。そのうえで、SBUを運営するためのリソース配分(人・モノ・金)を行います。
以下は、SBUを考える際のテンプレートです。SBUを検討する際にご活用ください。
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