継続的改善B2Bマーケティング戦略とは
- 継続的改善B2Bマーケティング戦略とは、リーンシックスシグマDMAICで作る変化に対応し続けることができるB2Bマーケティング戦略です
- 4つの仕組みと20のプロセスで継続的にマネジメントし、最大効果最大効率でビジネスを成長させることができます
詳しくは以下のコラムで
世の中は変化し続けている
世の中はすさまじい勢いで変化をしています。そして世の中の変化を起こしている要因として大きく3つのポイントがあります。それはインターネット、グローバル、そしてデジタルです。
インターネットの最大の特徴は、「つながる力」、この力が人々をつなげて生き方や行動を多様化させ、ビジネスを取り巻く環境を変えました。さらにインターネットは基本的に容量に制限がなく、見る・聞く・話すといったコミュニケーションンがネット回線さえあれば、相方向でどこでも、いつでも、誰とでもできるようになりました。世界中の人と人、人とモノ、モノとモノがつながり、人やモノの情報がやり取りされコミュニケーションは国境を越えてグローバル化がどんどん進みました。クラウドの発達が所有するから共有するへとビジネススモデルを変えました。
そして世の中の情報量は驚くべきスピードでデジタル化され増えています。インターネットを介して文字・画像・音声・動画などあらゆる情報がリアルタイムで配信され増え続け、収集されたデジタルデータがビックデータになり、それを分析して複雑なタッチポイント・チャネルなどあらゆるものを最適化しようとする事で様々なイノベーション・革新的な変化を起きていきます。
エキサイティングな、でも忙しい世の中なのです。これからもこの3つの要因を中心にどんどんと変化が起きていくでしょう。今までにないイノベーションも起きていくでしょう。
何が起きているのか?
情報はどんどん増えてあふれ、変化のスピードはますます速まる複雑化した世の中は、便利になったような気もしますが、管理するのは難しくなったかもしれません。皆さんは、ビジネスの中でこんなことを感じたことはないでしょうか。
- 何かをきめてもすぐに使えなくなる
- 何が正しいのかを見失う
- 何をやっているか途中でわからなくなる
- 表面上だけで行動しているような気がする
- どこが悪いかわからない
- 何が本当の原因かわからない
- 思いついた解決策に飛びついて失敗する
- どこに向かっているのかわからない
- みんなの目標がバラバラ
- 目標がないのにKPIがある
- やり方が人によって違う、バラバラで属人的
- 途中で話が変わってしまう
- どこに行こうとしているのかわからない
- 考え方がブレていく
- 今までのやり方、既成概念で決めてしまう
- マーケティング部門と営業部門が連携できない
- 営業部門と改善を進める業務部門が対立する
まるで嵐の中で飛ばされそうになっているようです。どうしてこういった事が起こるのでしょうか
ダイレクトマーケティングの衝撃
ここで少し私の話をさせて頂きます。
私が大学卒業後に入社したのは、輸入車を販売する会社をメインのお客様にもつある広告代理店でした。広告代理店といっても社員100名程度の会社で、やっている中身は“何でも屋”でした。カタログやDM、新聞や雑誌広告、ビデオやラジオ、モーターショーなどの展示会からショールームのディスプレイなどの営業、制作、現場、事務処理などをなんでもやっていました。
この会社での大きな仕事の一つに毎月実施するフェアのDM制作と発送がありました。毎月〇〇フェアと題してショールームに車を展示し試乗車を準備し記念品を用意してお客様を呼び込み商談をするわけです。80年代後半から90年代中ごろの話ですので、当然インターネットなどはまだ普及していません。
携帯電話もあまり普及していない時代ですので、毎月のフェアに集客する主な方法は顧客リストに対してDM(ダイレクトメール)を送るということでした。何千万というお金をかけて全国にDMを送りますから、クライアントはもちろん効果を気にします。最終的な成果はフェアへの来場者数になりますが、DMを送った効果が果たしてどの程度あったのかが非常に重要になってきます。
ただ当時はDMの不着率はわかるものの(宛先不明で戻ってくるので)開封率、さらには開封して来場に至ったか、購入に至ったかまでは正確にはわかりませんでした。DMの中には記念品の引換券があるので、引換券を数えることでDMによって来場した人の数のおおよそはわかりますが、あまり意識していなかったように思います。そんな中でもサンプリング調査で開封率をしらべ、開封率をアップするために様々なアイデアも絞りました。
ほかの郵便物と一緒になった際に少しでも目立つようにと、少し大きいDMや、振ると音が出るDM(中にコインがはいっている)、においのでるDM、透かし窓があって中が少し見えるDM、スクラッチ抽選券があるDMなど毎月毎月いろいろ考えました。この時代は費用対効果という事を気にはしたものの、まだまだ感覚でとらえていたところもあります。テクノロジー的にもデータからの論理的な根本原因は追跡できず、ある意味で良い時代であったのかもしれません。
そんなことを8年あまりやってからこの会社を辞めアメリカに1年間の自費語学留学をすることにしました。そしてアメリカから日本に戻ってから、ある外資の工業用部品のB2Bカタログ通販企業の日本ビジネスの立ち上げにマーケティングマネージャーとして入社することになります。そこで出会ったのが“ダイレクトマーケティング”という手法でした。このダイレクトマーケティングは私にとって新鮮でとても衝撃的でした。
世の中的にもまだインターネットはビジネスに普及しておらず、この当時でダイレクトマーケティングをやっていた企業は日本ではわずかだと思います。1998年、ちょうどアマゾンジャパンが出来た年です。簡単にいうと市場の人々に対してアプローチしてレスポンス(反応)をとり、どのルート(経路)で入ってきたのかといったソース情報(DMや新聞や雑誌の何月号のどの広告に反応したのかといったデータ)を含む個人データをデータ化し、もっとも効果効率の高いソースに投資を集中させて限りある予算の中で最大の新規顧客を獲得するといった方法です。
レスポンスからお客様に至るまでのプロセスをデータで管理し論理的に改善できるのがダイレクトマーケティングの特徴です。プロセスとデータで論理的に方向を導いて結果を出す科学的な方法です。DMを感覚に頼って送っていた広告会社当時とは全く違っていました。
お気づきになった方もいらっしゃるかもしれませんが、実はレスポンスをとって育てるダイレクトマーケティングは今のWebマーケティングやデジタルマーケティング(呼び名はいろいろありますが)の時代でも基本の考え方は変わりません。むしろ今は何でもデジタルマーケティングという言葉でまとめられて、基本の考え方が抜け落ちてしまい表面上だけの取り組みになっている場合も多いようにさえ感じます。私はこの先進的なダイレクトマーケティングに夢中になり勉強して実践していきました。結果ダイレクトマーケティングの手法を使って3年で3万件のアカウント(企業リスト)と取ることが出来ました。
その後、営業のインサイドセールスチームをリードした際もカスタマーサービス(サクセス)チームをリードした際もやはり重要だったのは、あるべき姿・目標とプロセスをしっかり決めてチームと共有すること、そして改善の仕組みを使って新しいアイデアを積極的に入れて論理的な方法で継続的にしていくことでした。
どうしたらよいのか?
では変化のスピードが速く、複雑化していく世の中で起きる問題に対応するにはどうしたらいいのでしょうか?ヒントはこのダイレクトマーケティングにあります。プロセスをデータで管理し論理的に改善する仕組みが必要なのです。問題は大きく分けると5つに絞られると思います。
- あるべき姿・目標が不明確
- プロセス(手順)がない
- 全体像をシンプルにつかんでいない
- データ(数値)で論理的に理解していない(感覚で判断している)
- 改善の仕組みがない
あるべき姿・目標がわかっていれば、どこに向かっているのか、何が正しいのかがわからなくなったり、目標がバラバラになったり、話が途中で変わっていくというようなことは起きないでしょう。
明確なプロセスがあれば、何をやっているか途中でわからなくなったり、表面上で行動したり、やり方がバラバラで属人的になってしまうようなことはありません。
全体の仕組みをシンプルにつかんでいれば、マーケティング部門と営業部門が連携できないといった問題も起きにくいでしょう。マーケティング、営業といったフロントオフィス、カスタマーサービスやロジスティックスといったバックオフィスの仕組みはそれぞれ別々のものではなく、全体として一つのものだと気がくことが出来れば、連携することでしか全体の成功がないことに気がつくはずです。情報が多いゆえに、物事をどんどんと複雑にしてしまい本筋から外れるという事もなくなります。
事実をデータ(数字)で理解できれば判断を間違うことは少なくなります。プロセスや各プロセス間の効率や効果をデータで測定し、感覚ではなくデータで論理的に問題点を見つけることによって良い判断ができるようになります。
そして改善の仕組みがあれば、本当の原因がわからないのに解決策にとびついて失敗するといったこともなくなるはずです。プロセスとデータを使って目標に向かって正しく進んでいるかを計測して根本原因を理解して効果的な改善を行えるようになります。
あるべき姿とプロセスが鍵
この5つの問題を解決できる仕組みをもつことで変化にも正しく対応することができます。つまり、
- 明確なあるべき姿・目標をもつ
- プロセスで理解する
- 全体の仕組みををシンプルにつかむ
- データ(数値)で論理的に判断する
- 改善の仕組みをもつ
といった機能を持ったマーケティング戦略策定の方法を持つことで、変化に対応できる継続的な活動を行えるわけです。マーケティング戦略は企業が成長するためには欠かせません。世の中は変化していきますが、実は相手がお客様であるマーケティングの本質は大きくは変わっていません。
複雑でわかりにくいマーケティング、営業といったフロントオフィス、カスタマーサービスやロジスティックスといったバックオフィスの役割と仕組みを全体像からシンプルにして考えることが必要です。
明確なあるべき姿に向かって行く方法がマーケティング戦略であり、それは「誰に」「何を」「どうやって」価値を提供して対価を得るかの仕組みです。しっかりとした“型“を作ることが重要です。“型“があればやることが明確です、“型“があればうまくいかない時も、どこが悪いのか見直す頃が出来ます。“継続的改善B2Bマーケティングの型”を作って継続的に改善しましょう。
継続的改善B2Bマーケティング戦略で変化に対応する
継続的改善B2Bマーケティング戦略は、以下の4つの仕組みと20のプロセス(手順)で考えます。“継続的改善B2Bマーケティング戦略の型“です。
- B2Bマーケティング戦略 - 「誰に」「何を」「どうやって」提供するかの仕組み
- カスタマージャーニー -「どうやって」お客様を獲得するかの仕組み
- カスタマーストーリー - 「どうやって」お客様を育成するかの仕組み
- カスタマーエクスぺリエンス - 「どうやって」お客様を維持するかの仕組み
コアになるマーケティング戦略と顧客との接点となるマーケティングコミュニケーション、営業、カスタマーサービスやロジスティックスといったフロント&バックオフィスオペレーション活動を4つの仕組みと20プロセスでまとめ、リーンシックスシグマの考え方で改善を容易にしたものです。
全体をシンプルに俯瞰でとらえ大きな問題(ボトルネック)を見つけ、改善ツールを使って深堀して根本原因を発見する。そして根本原因を取り除く改善案や新しいアイデアを取り入れることによって継続的にプロセスを最適化していきます。継続的改善B2Bマーケティングは
- あるべき姿・目標を定義
- 4つの仕組みと20のプロセスで実行
- 仕組みをプロセスごとにシンプルに理解
- 各プロセスのパフォーマンスをデータで判断
- リーンシックスシグマDMAICの手法で改善
継続的改善B2Bマーケティングは、継続的に改善できる“B2Bマーケティングの型”です。継続的改善をプロセス(手順)とデータで論理的に行う事で変化に対応し、最適化するのが継続的改善B2Bマーケティングです。
マーケティングとはMarket(市場)をつくる活動ともいわれますが、Marketingという言葉がMarketに進行形ingがついた言葉であることからも、マーケティングはそもそも一回作って終わるものではなく、継続的に改善しながら市場を作り続けるものなのです。継続的改善B2Bマーケティング戦略の作り方については、以下のカラムをご参照ください。
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